ロックを集め過ぎた人

ロックを集め過ぎたのでCDレビュー始めました。メタルが多めだけど気にすんな。

DIR EN GREY - UROBOROS

Windowsのメモ帳がめっさ貧弱だと知った午前5時。

いや~まさか最後の曲中に落ちるとは予想だにしてなかったなあ~(死)

ということで、書き直しているのが、

UROBOROS

DECADE後の最初のオリジナルアルバムです。

なんとAllmusicで☆4.5(!!!)という、
ファンの間でも評価が高い名盤のひとつですね。

そしてなんとDream TheaterのMike Portnoy
お気に入りのアルバムのひとつ!

期待していきましょう!



トラックリスト
#1 SA BIR
#2 VINUSHKA
#3 RED SOIL
#4 慟哭と去りぬ
#5 蜷局
#6 GLASS SKIN
#7 STUCK MAN
#8 冷血なりせば
#9 我、闇とて…
#10 BUGABOO
#11 凱歌、沈黙が眠る頃
#12 DOZING GREEN
#13 INCONVENIENT IDEAL


#1 SA BIR
いつものように不気味で思い雰囲気で始まります。
インストではありますが、京のシャウトが入れられており、
更にこのアルバムでは全体的に少し中東風のアレンジがなされているので、
それが不気味さを増幅させています。


#2 VINUSHKA
まさかのルナフェスで披露した名曲。
アルバムの2曲目に9分超えの曲を持ってくるあたりさすがです。
京曰く、「核であるこの曲を中盤に置かず敢えて2曲目に置くことで、
この核を乗り越えた人だけが先に進めるというようなところを表現したかった」

タイトルはロシア語で「罪」の意味で、
歌詞の最後「俺が悪であるが故に 生きる意味さえ罪なのか」
がこの曲のテーマをまとめ上げているように思います。
ヴォーカルスタイルは力強く歌い上げるパート、
つぶやくようなパート、狂ったようなシャウトやグロウルパートとかなり表情豊かです。


#3 RED SOIL
イントロのクリーントーンがキレイなナンバー。
ただし曲が進むにつれ、どんどんヘヴィになっていきます。
途中、京の狂ったようなシャウト・グロウルパートは表現者としての魂を感じます。
歌詞の分析しているサイトを見たことがありますが、かなりキツメの皮肉のようです。


#4 慟哭と去りぬ
3拍子のハードなナンバー。
やはりこちらもクリーンヴォーカルあり、えげつないシャウト・グロウルパートありと
京の起伏の激しさが見られます。
このアルバムの中では比較的歌詞の抽象性は薄く、
過去に見られたような毒々しさが強いです。


#5 蜷局
イントロのギターが印象的なナンバー。
テンポはゆっくりめで、シャウトパートはないですが、
しっかりとヘヴィさを出しています。


#6 GLASS SKIN
イントロのピアノが美しいバラードナンバー。
シングル曲ですが、アルバムに収録されるにあたり全英詞になっています。
歌詞のテーマは珍しく環境破壊についてだそう。
このアルバムは全体的に歌詞が抽象的なので、言われないとわからん…


#7 STUCK MAN
珍しくベースにスラップを取り入れたナンバー。
ヴォーカルもラップっぽいパートがあり、このアルバムでは異彩を放つ曲です。
歌詞も過去のエログロも垣間見えますが、
このアルバム特有の中東風の雰囲気もミックスされ、楽しめる曲調です。


#8 冷血なりせば
このアルバムでも特にヘヴィでハイテンポなナンバー。
歌詞もヴォーカルで破壊的で、ずっとそのまま突き進むかと思いきや、
途中不思議な雰囲気にガラッと変わります。
コレはライヴで聴きたいな…


#9 我、闇とて…
クリーンギターがきれいなバラードナンバー。
歌詞は聞き手、ライヴに来たオーディエンスに向けて書かれたとのことですが、
「生きることを許しくれますか?」と。
…すごい質問だ。
京にとっての「生きるという名の証」はやはり「表現すること」なのだと思います。
私たちはそれをしかと見届けましょう。


#10 BUGABOO
テンポはゆっくりですが、ヘヴィさはアルバム随一。
ヴォーカルはほぼグロウルで唸り続けるような感じ。
歌詞はやはり抽象的ですが、何かに対する皮肉が込められているように感じます。


#11 凱歌、沈黙が眠る頃
どこか寂しいような雰囲気のイントロで始まりますが、
ツービート主体でハイテンポに切り替わるハードナンバー。
歌詞は抽象的ですが、
「貴様等に神をくれてやる」「Justice for dying」とかなり破壊的です。


#12 DOZING GREEN
こちらもシングルですが、アルバム収録時に全英詞になっています。
比較的メロディアスなヴォーカルが多いですが、
ところどころいろいろなな声音が使用されており、
最後は京らしい感情的なシャウトで終わります。


#13 INCONVENIENT IDEAL
バラード調のラストナンバー。
このアルバムで最も落ち着いた曲で、3拍子のリズムでゆっくり進みます。
ここまで攻撃的なヴォーカルが多かったのですが、
最後は綺麗かつ力強く歌い上げ、このアルバムを締めてくれます。



ひとことで言うと、「名盤」です。


ここまでにはなかった複雑な曲展開で、
このバンドは重厚な世界観で作られるアルバムが多いですが、
今回は特によく作り込まれている、という印象でした。

また、京の表現力がこれまでより格段に幅広くなっています。
グロウルの多用が特に変化した部分として挙げられますが、
他にも狂気を感じさせるというか、これまでにない「感情的」なヴォーカルでした。

歌詞はこのアルバム以降かなり抽象的で
わかりづらく深くなっており、それが世界観の濃さが増した一因でもありそうです。


Allmusic☆4.5も納得です。


また、限定盤にはボーナスディスクもついており、
そちらには収録曲のピアノやパイプオルガンでのアレンジが収録されていますが、
そちらのレビューは割愛します。


のちに、リマスターやこのアルバムに関連するオフィシャル写真集が発売されるなど、
バンド自身にとっても特別な一枚なのかもしれません。


こういうアルバムだとやっぱり、「芸術作品って良いな~」と思いますね。(こなみかん)


次のアルバムからは7弦ギター&5弦ベースでの演奏になり、
よりヘヴィさが増していくぞ。

次もお楽しみに。


おわり。
 

 

 

UROBOROS

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