ロックを集め過ぎた人

ロックを集め過ぎたのでCDレビュー始めました。メタルが多めだけど気にすんな。

Dream Theater - Falling Into Infinity

こんばんは。

 

今回はプログレッシヴ・メタルの先駆者、

Dream Theater

です。

 

プログレッシヴ・ロックヘヴィ・メタル双方の要素を取り入れたこのジャンルを世に広めることにおいて、もっとも大きい功績を持つ偉大なバンドのひとつ。日本でも特に人気の高いメタルバンドのひとつで、私が最初に手にした国外バンドのひとつでもあります。

 

聴くのは4作目のスタジオアルバム「Falling Into Infinity」。昨日、Yesの「Fragileをやったばかりで、連続でかなり濃い内容を聴くことになっています。大変。

 

 

Falling Into Infinity by Dream Theater (1997-09-23)

トラックリスト

#1 New Millennium

#2 You Not Me

#3 Peruvian Skies

#4 Hollow Years

#5 Burning My Soul

#6 Hell's Kitchen

#7 Lines In The Sand

#8 Take Away My Pain

#9 Just Let Me Breahte

#10 Anna Lee

#11 Trial Of Tears

 

 

 

#1はギター、キーボード、ベースで7拍子のリフを演奏するイントロ、8分を超えるナンバーと初っ端からその本領を発揮。彼らの特徴のひとつである、メタリックな重さ、プログレッシヴでテクニカルな間奏、James LaBrieの時に伸びやか、時に力強いヴォーカルも健在。また、ベーシストのJohn Myungはこの曲で12弦チャップマン・スティックを使用。変態さが群を抜いています。

 

サードアルバム「Awake」を最後にオリジナルキーボーディストだったKevin Mooreは脱退しており、後任は今作発表前にリリースしたEP「A Change of Seasons」から参加のDerek Sherinian。このジャンルにおいてキーボードは楽曲構成における役割の大きさが割合として多いわけですが、さすがAlice CooperYngwie Malmsteenのバッキングに参加しているツワモノ。飾りに留まることがないのはもちろんのこと、それでいてメインの旋律を奏でるパートの邪魔をすることなく、特にギターソロやヴォーカルの裏で演奏される、美しく伴奏を盛り上げるピアノが印象的でこの作品で多数聴くことができます。もちろん自身のソロではしっかりとテクニックを披露してくれるので注目。

 

10分超えのナンバーがふたつ、それ以外も長めの楽曲がほとんどを占めていますが、曲調は基本的にポップでヘヴィさも少々薄めで、コレはレーベルからの圧力があったよう。John Petrucciはそれを受け入れたのに対しMike Portnoyはそれに反対、更にKevin脱退による作詞の負担増加、身内の不幸など、とにかく多くの出来事や事情が絡み合い、メンバーにとってはストレスの多い制作となったよう。商業的にも芳しくなく評論家からは賛否両論があったものの、Johnはこの作品の出来には好意的な姿勢を示しています。

 

ポップなナンバーとしては#4、#10にその傾向が顕著に表れており、アコースティックギター、ピアノがバッキングを美しく彩るバラードナンバー。逆に流れるように演奏される#5~#7は過去作に象徴されるようなプログレッシヴでテクニカルかつ作品中きってのヘヴィなナンバー。(ちなみにもともと#6は#5の一部でコレもレーベルとの絡みで分けられたっぽい。)特に#7はいつの間にか叙情的でジャジーな雰囲気に移行しており、このドラマティックな抑揚ある展開はさすが、Dream Theater。バッキングではMikeが緻密なハットを刻んでいたり、Derekの美しいピアノ伴奏が奏でられているのもこのバンドの強みが見られるのもポイント。また、コーラス部分にはJohnのリクエストでKing's XDoug Pinnickがゲストヴォーカルで参加しており、パートはそう多くはないにもかかわらず、James以上に力強い歌声で、リスナーに印象を強く残します。

 

最もテクニカルが光るのは#9。5分半というこのバンドとしては長くない尺の中で各パートの技術がソロの中でがっつり演奏されるだけでなく、比較的ヴォーカルを邪魔しない演奏の多いDerekも含め、Jamesの裏でもバチバチ。聴きごたえ抜群です。

 

歌詞は抽象的ですが、前述のとおり制作過程におけるさまざまな出来事についての感情の起伏が描かれています。(悪いことばかりではなく、Jamesには娘の誕生というハッピーな出来事もありました。)比較的わかりやすい部分もあり、コレもレーベルの意向の絡みがあったのかもしれません。

 

ラスト#11は3つの組曲で構成されたナンバー。長尺であり、構成そのものや1分半に及ぶギターソロなどプログレ要素が強いにも関わらず、ドラマティックかつ複雑すぎない展開で、聴くにはやさしいという不思議な楽曲でこの作品は幕を閉じます。

 

バンドとしては不本意な部分があるとはいえ、ポップナンバーとプログレナンバーが作品中でバランスよく混在する、ある種オルタナティヴなアプローチともとれる作品になっています。ポップナンバー単体で聴くと確かに物足りなさは感じますが、それ以上にプログレナンバーで彼ららしさが発揮され、バラエティに富んでいるので、ある意味入門アルバムとしていいかもしれません。

 

 

そういえばコロナの影響でDream Theaterの来日も延期になっちゃってましたね。ワンマンなのにチケットがフェス並じゃんなどと思っていました。つまりLOUD PARKに来てくれればすべて解決なので、よろしくお願いします。

 

 

 

おわり

 

 

 

 

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