Impious - Holy Murder Masquerade
こんばんは。
今回は前回に引き続きスウェーデンから
Impious
です。
スウェーデン産デス/スラッシュメタルの代表格のひとつ。以前取り上げたCarnal Forgeは個人的になかなか好きなのですが、彼らとは同郷・同系統ジャンルで活動開始時期も同じくらいと、こちらも期待してよさそう。
聴くのは5作目「Holy Murder Masquerade」。個人的に語感が気に入っているタイトルのひとつだったりします。いきましょー!
トラックリスト
#1 The Confession
#2 Bound To Bleed (For A Sacred Need)
#3 T.P.S.
#4 Bloodcraft
#5 Holy Murder Masquerade
#6 Death On Floor 44
#7 Liberator/Assassinator
#8 Slaughtertown Report
#9 Three Of One
#10 Everlasting Punishment
#11 Purified By Fire
#12 Dark Closure
ダークな雰囲気のリフと鋭く歪んだギター、前のめりのビート。期待はしていましたが、がっつり期待通りで嬉しい。Carnal Forge同様、メロデス寄りのデスラッシュで、バッキングのギターはメロディアス。こちらもメロディックデス/スラッシュという表現がしっくりきます。キックとリフがユニゾンする箇所も多かったり、コーラス部分のメロディに気合が入っていたり、個人的に気持ちいいフレーズが多い。
注目のタイトル曲の#5はゆっくりと重いナンバー。このジャンルは前ノリで突っ切る曲調が魅力的ではありますが、強めに歪んだギターとガリガリと低音を確実に支えるベースで作られる分厚いサウンドは、スローテンポのナンバーではヘヴィさが強調され、コレはコレで魅力的。コレが一流のスウェディッシュ・メタル。
続く#6、#7(#7はボーナストラック)は逆にツービートで突っ走るメロディ全開のナンバーで、ブラストビートも飛び込んでくるキメのナンバー。タイトル曲で重厚な雰囲気を見せられ油断していたのでコレにはやられた。荒々しいサウンドのベースが独りになる部分もあり鳥肌モノです。
#9では一瞬アコースティックなパートに切り替わる場面も。ただエクストリームなだけでない、器用な部分も垣間見せてくれます。(しかもそのパートでもベースはいつも通りガリガリサウンドで演奏されるのがなんともニクイ。)
歌詞は非常に血なまぐさく悲劇的なもの。自らの父親を手にかけたことの赦しを乞うための儀式がこの「Holy Murder Masquerade」(かな?)。アンチクライストな部分もあるようで、解釈はひとまず置いておこう。ラストトラックはこの仮面舞踏会の終わりを叫ぶ内容であることを踏まえると、コンセプトアルバムという見方でよさそうです。
どの曲でも分厚いサウンド、イカシたメロディアスリフやソロなどエキサイトに必要な要素が盛り込まれており捨て曲なし。テーマも重厚で日本人好みな雰囲気もあり、個人的には名盤です。さすがスウェディッシュ・メタル。メロデス好きなら十分に満足できる作品です。
音楽には各国の文化が顕著に現れるとは言いますが、国を意識してレビューしているとほんのり分かる気がしてきました。とりあえず今言えることはスウェーデン万歳!メタル万歳!
おわり