ロックを集め過ぎた人

ロックを集め過ぎたのでCDレビュー始めました。メタルが多めだけど気にすんな。

L'Arc-en-Ciel - ray

こんにちは。

 

今回はですね、前回の記事を見て、「rayも楽しみにしてます!」とのお声をいただきましたので、L'Arc-en-Cielの7thアルバム「ray」をレビューしようと思います!

 

前回レビューした6thアルバム「ark」と、ノストラダムスの大予言の日に同時発売され、チャートでも1、2位を独占した作品です。hydeyukihiroは「arkとray、どちらが自信作か?」と尋ねられてコチラを選んだとのこと。

3枚同時発売でも話題になったシングルがすべて収録されているのもあり、決して「ark」に引けをとらない作品であることが、聴く前から伺えますね。

 

それではいきましょー!

 

ray

トラックリスト

#1 死の灰

#2 It's the end

#3 HONEY

#4 Sel my Soul

#5 snow drop (ray mix)

#6 L'heure

#7 花葬

#8 浸食 ~lose control~

#9 trick

#10 いばらの涙

#11 the silver shining

 

 

「ark」は浮遊感のあるしっとりした幕開けでしたが、コチラの#1はロックなナンバー。曲調的にはhyde作曲っぽさを感じますが、意外にもtetsu作曲。tetsuにしては珍しいロック調のナンバーを頭に持ってきている点、「ark」は全体的にポップさが目立ちましたが、そちらとは違った方向性を示していると捉えていいかも。ただ、暗さが強いわけではなく、ほんのり光が差し込むようなふんいきも感じさせてくれる辺りはtetsuっぽさを感じますね。光を意味する「ray」の最初としてふさわしい楽曲です。

 

#2は#1のほんのり暗い雰囲気を引き継いだまま流れ込むナンバー。シングルではありませんが、ゲームソフトのCMソングに起用され、アルバム発売直後のミュージックステーションでも披露されたそう。曲中で聴かれるタンバリンはライヴではhydeが演奏しているとのことで観てみたいですね。

 

#3はこのバンドの代表曲中の代表曲にして、最大のヒットシングル。とにかくクールでセクシーだ。そう多くはない、hydeがギターを演奏している楽曲のひとつでもありますね。hyde作曲ということもあり、彼のソロで披露されることもありますね。選曲と曲順決めに相当苦労したそうですが、ここまで明るすぎないナンバーを並べつつ、3曲目で一気に盛り上げてくれ、最高。

 

#4はジャジーな雰囲気をもつナンバーで#3に続き、hydeの作曲。コチラは逆にhydeにしては珍しい、ロックな音が抑え目です。歌詞に「手を伸ばして掴んだものは綺麗な棘つきの花」というフレーズがあり、hyde曰く#10と同時に作られた双子。手を伸ばしてやっと掴んだ花には棘がついていることはバンド自身がよく知っていることでしょう…そんな花を掴む運命について#10では歌われているように思います。

 

#5は13thシングルですが、tetsuがシングルのミックスあまり気に入らなかったらしく、ベースが少し抑えられたアルバムミックス。冬の曲の代名詞のひとつとして人気の楽曲ですね。こちらはtetsuのポップネスが存分に発揮された、「ark」と比較すると暗めな雰囲気の作風の中ではひときわ光るナンバーです。

 

#6は「ark」にも同じ位置で収録されたyukihiroのインストナンバー。yukihiroらしいドラムンベース調の、アンビエントのようなゆったりしたミニマルなフレーズで構成されています。時折男女の会話が挿入されており、何やらセクシャルな話題なよう。タイトルはフランス語で和訳すると「時間」を意味するそうですが、ゆったりとしつつ妖しい雰囲気の中の会話を想像して作られたのかもしれませんね。

 

#7は#3、#8と3枚同時に発売され話題になったシングル。kenらしい幻想的な音使いに、「死をイメージしたものを書いてほしい」とリクエストを受け書かれたhydeの歌詞が非常に魅力的なナンバーです。「ark」の#2 HEAVEN'S DRIVEとともにベースに気合が入っているナンバーでもあり、少々聴こえづらいですが聴きどころです。

 

#8はゆったりとした妖艶な雰囲気を持つ、もっともこの作品の雰囲気を強く持っているナンバー。アメリカ版ゴジラの映画のサウンドトラックに使用され、歌詞もそれに合わせて書かれたものとのこと。変拍子も多く使用され、hydeのセクシーさだけでなく荒々しさも聴くことができるこのバンドの楽曲の中でもオンリーな雰囲気のモノではないでしょうか。

 

#9はyukihiroがこのバンドで初めて作詞したナンバー。作曲もyukihiroで少々インダストリアルなギターが彼らしい。インストでもベースが強調されたミックスが印象的でしたが、こちらも今作品中もっともヘヴィさが強調された楽曲になっています。また、歌詞もこのバンドにしては珍しく全英詞です。

 

#10は前述のとおり#4と対をなすナンバー。繊細さを持ちながらも力強さもある曲調で、その力強さは少々低音が強調されたギターで表現されており、hydeらしい。#4で歌われた「棘つきの花」を掴んだ運命について、辛くも希望を持つようなそんな雰囲気を感じました。

 

ラストは今作品特有のほんのりした暗さを持ちながらも浮遊感の強いシンセが印象的なバラードナンバー。U2を意識して作られたということで、ギターにもリバーブが強めにかけられ、歌詞も英語が多め。この浮遊感は「ark」の頭に繋がるイメージでということで、なるほど、あのしっとりした感じはここからきているのか。

 

同時発売の「ark」と「ray」ですが、前者は方舟を、後者はそれに乗って向かう場所として光をイメージして名付けられたそう。

2枚同時に発売するとなればその作風の違いに焦点が当てられることになるわけですが、「ark」(=方舟)には明るい希望を込めて、そしてリスナーが好むラルクのポップさを、「ray」(=光)には希望に向かう困難さや挑戦が表現され、少々暗めだったり作曲者のらしさとはまた違ったナンバーが揃えられた、という印象です。

 

当時話題性もかなりあったようですが、作品としてしっかりと対になっており、お互いの作品を意識して鑑賞するとより楽しめる2枚になっています。

続けてレビューしてよかった…リクエストありがとうございました!

 

 

なんか前回も同じこと言った気がするけど、馴染み深いアーティストだからこそ、しっかり聴いてみると良さがより分かるものですね。Dirもまた聴き返してみるか。

 

 

おわり

 

 

 

いばらの涙

いばらの涙

  • L'Arc~en~Ciel
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
HONEY

HONEY

  • L'Arc~en~Ciel
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
ray

ray

  • 発売日: 2019/10/01
  • メディア: MP3 ダウンロード