Large House Satisfaction - HIGH VOLTEX
こんにちは。
今回は日本のロックバンド、
Large House Satisfaction
です。
2010年代を盛り上げた邦ロック勢の一角で、テクニカルで爽やかなバンドが流行する中、90年代甲は~00年代前半の荒々しいガレージロックを志向している少々珍しい存在。
聴くのはセカンドアルバム「HIGH VOLTEX」。いきましょー!
トラックリスト
#1 Phantom
#2 bara
#3 Traffic
#4 M.O.V.E.
#5 アノキシア
#6 愛悩
#7 Jah
#8 KELL NA GULL
#9 イルフィロ
#10 タテガミ
#11 Power
まさにTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのフォロワー!と思わせる小林要司のしゃがれ声が最大の特徴で、アノ荒々しさを思い浮かべてもらえれば。Blankey Jet CityやThe Birthdayの影響も強いみたいですね。
バッキングも非常にシンプルで、パンキッシュな歪みで荒々しく、それでいて音の粒はしっかりそろった乱雑さを感じさせないサウンドです。ビートも結構ノリやすく、ハードコアのように突っ走る感じじゃなく、聴きやすい面も。音色が少ない分、一つ一つの音がぐいぐい出てきて、ベースなんかもガッツリ抜けてくるのは個人的に嬉しいですね。
歌詞はガレージパンクらしく、批判的で退廃的なもの。#4なんかは社会への鬱憤を晴らすような衝動的な歌詞がパンキッシュでいい。基本的に比較的あまり難しい言葉はないですが、抽象的で灰色をイメージさせる感じは流行りのバンドにはあまりないし、この手のヤツら、大事にしていきたい。
ベース/コーラスの小林賢司とギター/ヴォーカルの小林要司は実の兄弟だそう。上記のバンドのほかにAC/DCも好きだそうですが、幼い頃から二人ともこの手の音楽に触れ、ロックバンドへの憧れがあり、うちに秘めていたものがあったのだと推測します。
元々はドラマーがおりスリーピースだったようで、この作品当時はその体制だったようですが、公式HPには二人分のプロフィールしかなく脱退したっぽいか?
パンキッシュに歪んだギターとギンギン抜けてくるベース、パンキッシュながらも決して突っ走り過ぎることないドラムが作品を通して一貫しており、下手にシンセを導入するというこもなく、とにかく純粋なロックサウンドと彼らの衝動だけが成分として構成されている、飾りのないロックな作品。その中でも飽きさせないふり幅を持っており、衝動に全振りしている#4、退廃的な雰囲気の強い#7、少々感傷的な雰囲気を持つ#10あたりは結構個人的に好み。ラストはちょっと前向きで光を感じさせるナンバーなのもグッドです。シンプルで退廃的な作品が好みの人は頭からケツまでしっかり楽しめることは間違いないでしょう。
多様性に気を取られ、どれも中途半端になってしまう作品も多々見られますが、強いコンセプトが一貫していると安心して聴けるな。もちろんリスナー側も作品のコンセプトを理解している必要はありますが…
逆に多様な楽曲をどれも高い完成度でひとつにまとめ上げた作品には驚かされますね。アルバム作りって難しいんだなあ…
おわり