Lordi - The Arockalypse
こんばんは。
です。
Kissに影響を受けた怪物マスクで知られるバンド。(衣装の素材はラテックスフォームなのだそう。)その奇怪な見た目から色々と勘違いされたり、素顔を晒される危機に瀕したりと本国では何かとお騒がせのようですが、ABBAが優勝したことでも知られるユーロビジョン・ソング・コンテストという歴史ある大会の2006年開催で優勝するなど、確かな実力を持つバンドでもあるようです。
聴くのはサードアルバム「The Arockalypse」。「ハード・ロック黙示録」という邦題が付けられています。フィンランド勢はAmorphisの「Circle」以来約半年ぶりと意外と久しぶり。
トラックリスト
#1 Scg3 Special Report
#2 Bringing Back The Balls To Rock
#3 The Deadite Girls Gone Wild
#4 The Kids Who Wanna Play With The Dead
#5 It Snows In Hell
#6 Who's Your Daddy?
#7 Hard Rock Hallelujah
#8 They Only Come Out At Night
#9 The Chainsaw Buffet
#10 Good To Be Bad
#11 The Night Of The Loving Dead
#12 Supermonstars (The Anthem Of The Phantoms)
このアルバムはどうやらコンセプトアルバムのようで、#1は物語の始まり、モンスターの襲来をテレビ局がリポートしており、最後はモンスターが人間たちに宣告をする場面。「This is ...Arockalypse」とキーワードを宣言した直後、#2になだれ込み・・・まあどうやらバンド自身が見た目通りそのモンスターのようで、地球にロックンロールしにきたようです。曲調は影響を公言しているKissはもちろんのこと、ショックロックにも分類され、その先駆者でもあるAlice Cooperを連想させるアメリカン・ハード。ただし、さすがメタル大国フィンランド出身、それらよりも強いヘヴィさを持ちがっしりとしたサウンドを聴かせてくれます。
#5~#8はシングルカット。まんなかにシングルが集まっているのも珍しいな・・・#5は1984年~1996年まで憧れのKissでギタリストとして活躍し、現在はGrand Funk Railroadで活躍中のBruce Kulickがギターで参加。また、#9ではTwisted Sisterの結成メンバーとして知られるJay Jay Frenchも参加。強力なゲストを迎えつつ、自分たちらしい太いナンバーを展開しています。
#7は前述のユーロビジョン・ソング・コンテストでも披露されたヒットシングル。バッキングには少年少女による合唱団のコーラスやキーボードで壮大さとショーのイメージを演出した、ハードロック讃美歌。コンセプトとしてはコレをしに地球に降り立ったのでしょう。
アメリカン・ハードロックに影響を受けながらも、華々しさやポップさよりも分厚いギターサウンドをベースにキーボードで壮大さを演出した北欧らしいサウンドも取り込み消化したハイブリッドな音楽性。見た目とそれに準じたコンセプトも相まって迫力はかなりのものです。ライヴパフォーマンスもかなり派手なようで、是非一度はお目にかかりたい。
ずっと勢いを止めることなく侵略し続けたからなのか、あまり抑揚のない作品だったのが個人的には少々残念。キーボードを擁するバンドなので、せっかくならピアノ主体やシンフォニックな雰囲気をもつバラードなんかも聴いてみたかったなあと感じました。もちろん完成度はさすがのメタル大国バンド。ショーが好きな方はコンセプトも含めて楽しめる作品ではないかと思います。
温暖化の影響で四季がなくなっているという話もあったりしますが、肌寒いと思ったら夏に突入するんじゃないかと思うくらいの陽気だったりと、この狭間な感じはまさに春らしい。ただ、寝汗かくのが嫌なのでできればほどよい感じでお願いしたいんですが、地球さん的にはどうなんですかね。衣替え苦手なので普通な感じでよろしくな。
おわり