ロックを集め過ぎた人

ロックを集め過ぎたのでCDレビュー始めました。メタルが多めだけど気にすんな。

Suicidal Tendencies - The Art Of Rebellion

こんばんは。

 

今回はアメリカ西海岸からクロスオーバー・スラッシュの先駆者、

Suicidal Tendencies

です。

 

1980年代の初頭から徐々に音楽性を変化させつつ、クロスオーバーという形で東側のAgnostic Frontなどとともにパンク界へ変革をもたらしたバンドのひとつ。オリジナルメンバーはMike Muirだけになってしまっていますが、現在も活動中です。

 

聴くのは5作目のスタジオアルバム「The Art Of Rebellion」。クロスオーバー/ハードコアはAll Out War以来約一年ぶり、Agnostic Frontはもう一年半以上前のレビューだし、めちゃめちゃ久しいな。

 

 

Art of Rebellion

トラックリスト

#1 Can't Stop

#2 Accept My Sacrifice

#3 Nobody Hears

#4 Tap Into The Power

#5 Monopoly On Sorrow

#6 We Call This Mutha Revenge

#7 I Wasn't Meant To Feel This / Asleep At The Wheel

#8 Gotta Kill Captain Stupid

#9 I'll Hate You Better

#10 Which Way To Free

#11 It's Going Down

#12 Where's The Truth

 

 

 

#1はクリーントーンアルペジオとベースの優しい絡みで始まる穏やかなイントロで始まり、スラッシーなリフを擁するパンクナンバー。この時点でクロスオーバーな雰囲気全開。シンセがフィーチャしたり、メタリックなギターソロ、曲長6分半というのもオルタナティヴなアプローチが目立つ楽曲で、さすがクロスオーバーの先駆者。他の楽曲でもしばしば曲のオルタナティヴ要素を担うキーボードはJohn Websterという人物がアディショナル参加。AnnihilatorMötley Crüeのアルバムへ参加経験のある実力者です。

 

ベースはみなさんご存知、現在Metallicaで活躍中のRobert Trujillo。ベースというパートはパンクやメタルではグルーヴ作りに徹するためにリフと同じ動きをするのが通常ですが、この作品のRobertはとにかくよく動く。支えるというよりも楽曲を彩る役割で、#10に至っては曲のリフを担当し引っ張っているくらい。曲によってゴリゴリしたもサウンドからハリのある引き締まった演奏までこなし、作品の方向性を決定づける柱として重要な要素を担っています。

 

そんな感じでそれぞれのパートが自由に演奏されているのが非常に特徴的。前述のAll Out Warは暴力的なグルーヴ感とヘヴィな一体感、Agnostic Frontハードコアパンク譲りのスピード感が中核となる武器でしたが、こちらはグルーヴ感はうすめでオルタナティヴ志向が強く、音色も豊富(なんとチェロ奏者がクレジットされている)でプログレッシヴともいえる音楽性が魅力的です。もちろん#6や#8などでは前ノリな部分見せるなどやはりパンク魂は健在。

 

というのもこの作品は非常に「実験的」と評されており、当時のギタリストMike Clarkもそれを認めているよう。(ちなみにこのバンドとしては最長の作品らしい。)元からそのように計画されて制作されたわけではないそうですが、1990年代のオルタナティヴロックの流れにインスパイアされ身を任せてみた部分はあるのかも。実験的な方向に舵を切った作品というのは大抵の場合酷評されるのがオチですが、オルタナティヴながらも、ジャケットで燃えているモナ・リザやパンク譲りな攻撃な歌詞などパンクのルーツを残すこの作品は高い評価を受け(All Music ☆4)、発表年のUSビルボードでは52位に達し、新たなファン層の獲得にもつながりバンドの強さが伺えます。

 

プロデューサーはRushQueenrÿcheの作品も担当したPeter Collinsという人物で、エンジニアはPaul Northfield(ミキシング)、Bob Ludwig(マスタリング)という二名が担当。エンジニアの二人も多くのメタルの名盤を担当した経験を持っており、手練れのサポートが作品を支えていたことがわかります。まあそうでなければまとまるもんでもないでしょうが…

 

タイトルの直訳「反逆の芸術」とはよく言ったもんで、「クロスオーバー」という言葉以上に既成のパンクの概念に反逆した多才なアプローチが見られる面白い作品。逆にパンク作品というよりはオルタナティヴ(ミクスチャー)ロックの作品と捉えたほうが分かりやすいかも。Robert Trujilloも大活躍しているので、Metallicaファンの方にも楽しめる作品と思います。

 

 

 

かなり久しいジャンルのレビューということで、自分の過去のレビューを見返したんですが、ひどく稚拙でげんなりしてしまったな。過去の記事へのアクセスのちょこちょこあるわけですが、恥ずかしいったらありゃしない。穴があったら飛び込んでそのまま天に召されたい。あと読みづらい。つらい。まあ多少は成長したということで。うん。

 

 

 

おわり

 

 

 

 

Which Way to Free?

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  • Suicidal Tendencies
  • ハードロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes
Nobody Hears

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Art of Rebellion

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