abingdon boys school - abingdon boys school
こんにちは。
今回は日本のロックバンド、
です。
T.M.Revolutionでおなじみの西川貴教を中心に、メンバー全員が界隈のプロとしてすでに活躍していた中で結成されたいわばスーパーグループです。サポートを含めた各メンバーT.M.Revolution時代からすでに交流や活動を行っていたようです。バンド名はRadioheadの出身校として有名な実在の学校の名前だそう。
ファンクラブもすでに閉鎖され、近年は目立った活動はなかったそうですが、2019年の末に小規模ながらも約10年ぶりのワンマンツアーを発表しました。(コロナウイルスの影響で延期した模様。久しぶりなのに…)
聴くのは1stアルバム「abingdon boys school」。西川のアニメ・ゲーム好きによるものなのか、タイアップも多く、今20代の方は聴き覚えのある曲もいくつかありそう。
いきましょー!
トラックリスト
#1 As One
#2 HOWLING -INCH UP-
#3 Via Dolorosa
#4 INNOCENT SORROW
#5 DOWN TO YOU
#6 アテナ
#7 stay away
#8 Nephilim
#9 LOST REASON (feat. MICRO)
#10 DESIRE
#11 ドレス
#12 ReBirth + ReVerse
T.M.Revolutionでは電子音がふんだんに使用された音楽性ですが、こちらはシンセサイザー等はしっかり使用されてはいるものの、大きくは目立たずロック色の強いナンバーが中心。もちろん西川のパワーのある歌声は健在で、ポップでノリ良いイメージも同様です。
時代的にはAcid Black Cherryや、同じくアニメタイアップの多いGRANRODEOあたりの、ポップながらもハードロックを思わせる歪み強めのヘヴィさが印象的。
個人的にハードロックというとアメリカンハードロックのもつポップさはかなりタイプなのですが、アノ渋さを含む聴きよさとは違い、ロックを基盤としたJ-POPにヘヴィな要素を加えた、より日本大衆的な音楽性で、シンプルに「いいな」と思える楽曲です。
最近も「鬼滅の刃」でおなじみのLiSAの紅蓮華もハードロック調だし、アニメタイアップではこの手の音楽性が一定のシェアを持っていますね。
シングルは全部で3曲収録。#2は「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-」のOPのアルバムバージョン、#4は1stシングルで「D.Gray-man」のOP、#8はPSPソフト「戦国BASARA BATTLE HEROES」の主題歌。上記のバンド同様にポップながらもヘヴィ、かつフィルやソロでテクニカルなフレーズも聴くことができる、彼ららしく聴きごたえのあるナンバーです。アニメ。ゲームのほうは現役で観ていたりプレイしていた方も少なくないのでは。
シングル以外では、#3なんかは作品中でも特にヘヴィなギターながらも美しいピアノが印象的で叙情的な雰囲気を感じさせるミドルバラードのナンバーで、個人的には好き。
#9ではHOME MADE 家族のMCであるMICROがフィーチャリングという意外なコラボ。#8のカップリングでは名前はなく、このコラボによってアルバム版になっている模様。
#11はなんとBUCK-TICKのカバー。トリビュートで参加した作品の収録です。メロウな雰囲気は残しながらも、櫻井敦司のセクシーさとは違った力強さやギター色が強めなのがa.b.s.らしい。原曲のリミックスが「トリニティ・ブラッド」のアニメ主題歌に使用されたそうで、ある意味らしい選曲でもありますね。
前述のとおりメンバーは確かな技術と経験をもつプレイヤーばかりで、特に注目したいのが、このバンドのヘヴィさを作る元WANDSの柴崎浩。WANDSというと特にハードなイメージはないですが、柴崎は尊敬するギタリストにLOUDNESSの高崎晃を挙げており納得。最初にコピーしたのがLOUDNESSとのこと。逆にWANDSの音楽性は、同じく尊敬するギタリストに挙げているTOTOのSteve Lukatherの影響が強いようです。
ラストは7分超えのインスト。前半はストリングスとピアノをふんだんに使用し壮大さを演出し「ReBierth」を、後半はエレクトロニックでインダストリアルな雰囲気で「ReVerse」を表現しています。
タイアップも多く、ヘヴィながらも歌モノが中心だったので、最後にこのタイプのアーティスティックな楽曲を持ってきて締めるというのは意外でした。侮れないな。
強烈なインパクトがある、というわけではないですが、単純に完成度が高く、聴きよく安定的な作品。彼ら自身が「音楽を始めたころの気持ちでバンドやろうぜ!」というコンセプトで始めたようで、好きなように、それでいて完成度の高い作品を、という志向で作ったのかな、という印象でした。
4連続で国内アーティストの記事書いたの、DIR除いたら初めてかもしれんな。
ポップスもいいですが、久しぶりに刺激がほしいよ。メタル。
おわり