ロックを集め過ぎた人

ロックを集め過ぎたのでCDレビュー始めました。メタルが多めだけど気にすんな。

Donots - Pocketrock

こんばんは。

 

今回は約一年ぶりの登場、

Donots

です。

 

ドイツのポップパンクバンドとしてはかなりしっかりしたキャリアを持つバンド。にも関わらずWikipediaには大して情報が載っていない。なぜだ。聴くのは一年前にレビューしたAmplify The Good Timesの一つ前の作品となる4thアルバム「Pocketrock」。イケイケのポップパンクを聴かせてくれた5thでしたが、今作はいかに。

 

 

Pocketrock

トラックリスト
#1 I Quit
#2 Whatever Happened To The 80's
#3 Superhero
#4 Today
#5 Don't You Know
#6 Room With A View (Give Me Shelter)
#7 Watch You Fail
#8 In Too Deep
#9 Radio Days
#10 Hot Rod
#11 Jaded
#12 At 23

 

 

#1、ちゃんとはしゃいでてイイ。良質なポップパンクというのは、聴きよいというだけでなくて、とかく明るくて聴いてて盛り上がれるというのが条件ですが、このDonotsはしっかりやってくれるので安心できる。一年前に聴いて「ああ、ポップパンクだ」って嬉しく思ったのを思い出す。続く#2も同様、シンプルなコードとフレーズ、縦ノリビートで楽しくノレる。「ウォーウォー」って掛け声やハンドクラップなんかもあってライヴ意識も強く感じられるナンバー。

 

もちろんただ聴きよいノリが続くだけでないのもイイポップパンクバンドの条件。#5はメロコア然としたスピード感で走り抜けたり、#6ではミドルテンポの地に足着いたナンバーも披露してくれます。各所でキレイ過ぎず、Ingo Knollmannのヴォーカルがちょっとしゃがれてるのも、元来のパンク感があってイイね。#8はまさかどっかの41かと思ったら、ちゃんとオリジナル曲で安心(?)。持ち味の爽やかなポップパンクかつ、ちょっとザクザクしたフレーズもあってナイス。

 

 

コレだけ正しくポップパンクなのに知名度がイマイチなのもったいない。ヨーロッパだからなのかね、北アメリカ市場にもっと進出していたら違っていたかも。でも本国ドイツでは年を追うごとにどんどんチャート順位を上げているようで、しっかり評価されているようでよかった。

 

そもそもこの作品が流れに乗るきっかけでもあったよう。#2は本国のチャートで67位、その後#3、#4、#6もシングルカットされMTVで放送され、Midtownのサポートとしてドイツ、オーストラリア、スイスをツアーで回りその実力を世界へとお披露目するチャンスをつかんでいます。サウンドに関しても、ギターは軽すぎずほどよくしっかり歪んでるし、ベースもある程度抜けて聴こえてきてバッキングががっしりしてる。この演奏クオリティもこのバンドがゆるぎない人気を獲得している要因でしょう。

 

抑揚もありつつ、しっかりポップに力強く駆け抜けてくれるので、5th同様決して中だるみすることなく聴ける作品。ポップパンクといえばやはりアメリカやカナダが強いですが、このバンドもまったく負けてない。その辺が好きな人なら十分に楽しめる仕上がりになっています。是非。

 

 

ロックを集め過ぎた人とはよく言ったもので、生活費さえあれば自分のライブラリを5周くらいすれば人生をある程度楽しめることに気付いてしまった。お金ください。

 

 

おわり

 

 

 

 

Room With a View (Give Me Shelter)

Room With a View (Give Me Shelter)

  • DONOTS
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes
I Quit

I Quit

  • DONOTS
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes
Pocketrock

Pocketrock

  • アーティスト:Donots
  • 発売日: 2002/02/18
  • メディア: CD
 

Lit - A Place In The Sun

こんばんは。

 

今回はアメリカのロックバンド、

Lit

です。

 

日本での知名度は低いですが、結成自体は1988年とキャリアのあるバンド。結成当初は「Razzle」というバンド名、その後「Stain」という名前を経て、現在のバンド名になったよう。聴くのは彼らの出世作であるセカンドアルバム「A Place In The Sun」。ポップパンク系統っぽいですが、Army Of Freshmenのセルフタイトル以来一か月ちょいぶり。メタルばかりだったのもあって懐かしささえ感じるな。

 

 

Place in the Sun

トラックリスト
#1 Four
#2 My Own Worst Enemy
#3 Down
#4 Miserable
#5 No Big Thing
#6 Zip-Lock
#7 Lovely Day
#8 Perfect One
#9 Quicksand
#10 Happy
#11 The Best Is Yet To Come Undone
#12 A Place In The Sun

 

 

 

シンプルなコード進行とフレーズで縦ノリポップな#1。この時点で「ああ楽しく聴けそうだな」と思わせてくれる、安心・安全なロック。この作品の発表は1999年で、これより10年ほど時代が進むとかなりキラキラしたポップパンクが主流になるわけですが、その礎となるもっと素朴で落ち着いたポップさ。これはやはりWeezerが示したパワーポップというロックの在り方ですが、それに少しだけポップパンクのエッセンスを加えて消化した、よりバランスのいいポップなロックです。

 

パワーポップというジャンル(というよりWeezerか)は、ちょっと社会の流れに置いて行かれそうな私たちに「まあまあ肩の力抜いてちょっとオレたちのロック聴いてくれよ」って感じで寄り添ってくれるんですが、このLitもまさにそんなイメージ。全体的にテンポはゆったりと流れながら、時には「このフレーズカッコいいっしょ?」って聴かせにきてくれたりする。「一緒に盛り上がろうぜ!Yeah!」って引っ張ってくれるポップパンクもいいけど、Weezer節を正しく引き継いだこのノスタルジックな感じはやっぱり落ち着く。

 

ポップでありながらもマイナースケールのコードもよく登場したり、ギターサウンドにちょっとメランコリーさを感じさせる揺らぎがあったりするのも特徴的。また、基本的にはロックサウンドのみで展開されますが、#9ではメインフレーズにシンセを使用したりも。その上でゆるぎない素朴なパワーポップなのがおもしろい。抜けてるように聴こえて、しっかりサウンドを使いこなしてるわけです。

 

この作品自体はUSビルボードで31位、USトップヒートシーカーでは首位を獲得し12インチも発売、その後#2、#4、#6がシングルカットされ、#2もUSモダンロックトラックで1位を獲得とかなり好成績。現在までに6枚のアルバムを発表しており、現在も活動中と本国ではゆるぎない人気を獲得しているよう。

 

このアルバムはのちのち活躍していくポップパンク系のバンドに強く影響を及ぼしているようで、Good CharlotteAmerica Hi-Fiのそれぞれのセルフタイトルアルバム、Zebraheadの「Broadcast To The World」、過去に取り上げたThe All-American Rejectsの「Move Alongなどが挙げられています。

 

最初から最後まで力を抜いて、ただラフに「ああ、イイ感じの曲だな」と思える曲が並ぶ作品。パワーポップの代表作と言っても過言ではない。44分程度とあまり長くもなく、難しいことを考えずにポップなロックを楽しみたい人にはオススメです。

 

 

不安でいっぱいの転職でしたが、なんとか有給消化モードも克服し、悪くない滑り出しです。応援ありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

 

 

 

おわり

 

 

 

 

My Own Worst Enemy

My Own Worst Enemy

  • Lit
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes
Zip-Lock

Zip-Lock

  • Lit
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes
Place in the Sun

Place in the Sun

  • アーティスト:Lit
  • 発売日: 1999/04/14
  • メディア: CD
 

清春 - MELLOW

こんばんは。

 

今回も前回に引き続き、

清春

です。

 

前回はファーストアルバム「poetry」でしたが、今回はその翌年に発表したセカンドアルバム「MELLOW」。ファーストでは「清春は間違いなくプロのアーティストなんだな」と思わせてくれる作品でしたが、今作はいかに。

 

 

MELLOW

トラックリスト
#1 光
#2 COME HOME
#3 BUNNY SMILE
#4 ROOM
#5 蝶
#6 HORIZON
#7 影絵
#8 FAIDIA
#9 LAST SONG ~最後の詞~ album version
#10 ALSTROMERIA
#11 SLIDER

 

 

#1のポストロックを思わせるイントロでもうさすがだな、という感想。エフェクトのかかった艶やかな清春のヴォーカルや、強く歪んだギター、ザラザラしたシンセなど、前回からアーティスティックなサウンドが印象的でしたが、今作はよりそれが洗練されたことがこの時点で分かります。

 

#3、#8は音源化はされなかったものの、SADS時代から演奏されていた楽曲。UKを思わせるメランコリックな雰囲気の中で、#3はシンセやオルガンがふんだんに使用され華やかさを放つノリもいいナンバー、#8はポップさも感じる哀愁漂うナンバー。ヴォーカルのクセもより強く、巻き舌が多用されています。逆に#4は序盤ですべてのパートの歪みがMAX値でハウリングしているほど。清春だからこそこれらのサウンドを使いこなせるのだなと思わせてくれます。

 

そしてやはり注目したいのがバッキングミュージシャン。前回はかなり豪華、かつ曲によりプレイヤーがかなり異なるという徹底的なこだわりを見せましたが、今回もある程度細かくプレイヤーは分かれつつも比較的統一感のあるメンバー。面白いのがTHERTRE BROOKのメンバーが総出で参加している点。ほんのりサイケデリックサウンドを感じるのはコレが影響しているでしょう。また、Eins:Vierのメンバーで、TETSU69INORANのサポートも務めている中村佳嗣もギターにて多く参加。全体的にガレージな雰囲気も強く、コレは彼によるものか。

 

前作と比較するとシンセ/キーボードの割合が減っており、それでもメロウ感は強く、味わいが違って聴こえるのも面白い。前作はアンビエントの雰囲気を感じるメロウ感でしたが、UKロックのメランコリーを孕んで聴こえるのはこのせいか。#1、#2、#7でのベースの抜け具合とシンセドラムも前作にはなかった特徴的なサウンドのひとつ。特に#7はアコギと清春の妖艶な声も相まってセクシーさは随一です。

 

歌詞も相変わらず抽象的でセクシー。ジャケットの色合いに関しても前回同様グレーですが、この辺からもあくまで「清春」のスタイルはそのままに作品を構築していることがわかります。

 

ラストトラックの#11はこれまでにはあまりなかった前ノリのロックチューン。今作を発表した年の年末にサードアルバムを発表するという多作さを見せますが、そのアルバムへの伏線と捉えられますね。ファーストからより洗練されたセカンドとなっている分、サードへの期待も高くなりますね。

 

前作もメロウでメランコリックな雰囲気は強かったですが、今回はそれが全開でUKロックを彷彿とさせます。ガレージロック・リバイバルといっても差し支えない。THERTRE BROOKのメンバーの影響も大きいな。よりクセが強くなった印象ですが、つまり清春らしさが強くなったということ。サウンドひとつひとつのこだわりも前作より強く、清春ファンはもちろんのこと、UKロックファンにもウケるのではなかろうか。興味のある方は是非。

 

 

 

先日の染髪が日を追うごとに落ちてきたんですが、濃いめの青にしたはずなのに、色落ちてきたら茶色っぽくなってる気がしないでもない。でも場所によってはグレーっぽいかもしれない。よくわからないよ。

 

 

 

おわり

 

 

 

LAST SONG -最後の詞-

LAST SONG -最後の詞-

  • provided courtesy of iTunes
ROOM

ROOM

  • provided courtesy of iTunes
MELLOW

MELLOW

  • アーティスト:清春
  • 発売日: 2005/03/30
  • メディア: CD