Cave In - Antenna
こんばんは。
さて、今回はアメリカのロックバンド
Cave In
です。
日本語のWikipediaがないほど日本ではちょいマイナーなバンドですが、本国では人気のようでキャリアも20年以上と堅いバンドです。
初期はメタルコアだったようですが、徐々に音楽性を転換し、今はオルタナみたいですね。
2020年2月開催のLeave Them All Behindにてヘッドライナーとして来日ということで楽しみしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
聴くのはサードアルバム「Antenna」。
All Music4.5と評価は結構高く人気作である一方で、方向転換期の作品のため元からのファンからは批判もあったよう。
とりあえず聴きましょう!
トラックリスト
#1 Stained Silver
#2 Inspire
#3 Joy Opposites
#4 Anchor
#5 Beautiful Son
#6 Seafrost
#7 Rubber And Glue
#8 Youth Overrided
#9 Breath Of Water
#10 Lost In The Air
#11 Penny Racer
#12 Woodwork
#13 Devil's Head Pinata
ッジャーーーーンと勢いのあるロックサウンドが鳴って幕開け。
グランジ系統のちょっと影のある感じを想像していたけど、思ったより明るい、というより暗くないといった方が正しいかな。
ギターは歪みが強くないものの音は分厚く気持ちいい。
#1はVo.とギターがユニゾンしていたり、ベースはその裏で8分で自由なフレーズで鳴り、ドラムパターンもただ8ビートではなく太鼓が自由に行き交っている。
かなり現代的なポップなオルタナティヴロックで聴いてて楽しいタイプです。
その後もほどよい歪み、音圧、アレンジのナンバーが続きます。
ほどよい、といってもシンプルというわけではなく、型にはまらないまさに「オルタナティヴ」を体現したようなアレンジで、極端にテクニカルではなく、スケールは守りながらも自由なフレーズを演奏する感じ。
ベースはルート弾きは少なく、といっても浮き出てくるわけではなく高音と低音を自由に行き来し、メロディともいえるフレーズで基盤を支えます。
でも時には少々歪みを加え、大きな柱として活躍する箇所もあり、聞き逃せない。
ドラムも同じく、多彩なフレーズを不自然さを感じさせることなく、でもむしろそれで流れを作っている。
こうやって器用なアレンジをしつつ支えてくれるリズム隊がいれば、ギターやヴォーカルは安心して演奏できますね。
ギターも目立つことなく綺麗なフレーズで曲を彩り、でも時には粗目の音でかき鳴らしたり。
少ないですが、ギターソロもあり、ここも目立つというよりはその部分が引き立つように演奏されている感じ。
ヴォーカルは基本的に高すぎず低すぎず落ち着いた歌を聴かせてくれ、曲に溶け込むイメージです。
もちろんただふわふわしているというわけではなく、曲調に合わせて声色を変えてきて、粗目のギターサウンドの上では力を込めて歌いつつ、元の落ち着いた雰囲気もどこかに感じさせる器用ぶり。
基本的にメンバーの演奏力には確かなモノがあり、それによってある程度複雑にも関わらず聴きよりのでしょう。
音楽性も色々で#4や#7ではグランジの影響を感じる少々粗削りでパンキッシュなナンバーも。
#11とかポップパンク調かつ、ベースが面白い動きしてて彼ららしさもありナイス!
Wikiみるとジャンルにスペースロックの文字があり、ん??と思ったら#5、#6のような浮遊感のあるサウンドのナンバーもあり納得。
#6の後半ではシューゲイザーを連想させる浮遊感が強くかつノイジーなパートがあり、引き込まれそうになる。
#13は日本盤ボーナスで、ちょっと気の抜けたグランジナンバー。
アルバム終わってちょっと開放的になってる雰囲気でなんだか微笑ましい。
作品全体としてロックを主体にして色々なアプローチが見られ、音の感じ、フレージング、アレンジなどでかなり曲によって曲の色合いが違い、かなりカラフルな作品。
まあメタルコアを期待したファンからしたら拍子抜けするけれども…
#2、#4のみがシングルカットされているようですがもったいない!
1曲のインパクトよりもアルバムを通した完成度として楽しみたい作品です。
この辺のバンドのルーツはPearl Jamかな?
俺がPearl Jam好きなだけではないはず…
僕が音楽を聴きだした時にはもうある程度完成されていた音楽性ですが、よくよく辿ってみるとこういう、器用で美しくて複雑でエモくて聴きよい音楽って彼ら以前にはなかったんだよな。
ありがとうPearl Jam。
そしてそれをより進歩させていくバンドたちもありがとう。
そしてこのブログを見てくれてるみんなもありがとう。
今年100レビューはいけそうです。
またみてね。
おわり