Arch Enemy - Anthems Of Rebellion
こんばんは。
さて、今回はみなさんお待ちかね、
です。
コレはさすがにみんな待ってたと思うんだよね。俺も待ってた。
説明不要とは思いますが、一応…
スウェーデンのメロデスバンドで、このジャンルの隆盛に大きな貢献をしたバンドのひとつとして多大な人気を誇っています。
元々はCarcassのギタリストを担当していたMichael Amottが名作「Heartwork」発表後に脱退し、祖国でSpiritual Beggarsを結成した傍ら、サイドプロジェクトとして始めたもの。
1st「Black Earth」の発表後にCandlemassの前座として来日した際の日本のファンの反応に手ごたえを感じたのを機に、徐々にこちらにウェイトを置くようになり今の形に。
色々なキャリアのメンバーが加入・脱退していますが、現在は元AgonistのAlissa White-Gluzがヴォーカルとして在籍していることでも有名です。
今回聴くのは5作目「Anthems Of Rebellion」。前ヴォーカルのAngela Gossowが加入して2作目の作品です。
攻撃性は高い反面、構成がシンプルになった作品とのことで評価はまずまずですが、如何に。
いきましょー!!
トラックリスト
#1 Tear Down The Walls
#2 Silent Wars
#3 We Will Rise
#4 Dead Eyes See No Future
#5 Instinct
#6 Leader Of The Rats
#7 Exist To Exit
#8 Marching On A Dead End Road
#9 Despicable Heroes
#10 End Of The Line
#11 Dehumanization
#12 Anthem
#13 Saints And Sinners
禍々しい歓声の後飛び込んでくる疾走感あふれるリフ、ツーバス。そしてAngelaの咆哮。
コレが、コレがメロディックデスメタルだ。頭止まらんがな。
確かに音数は少ないものの、逆にコレは洗練されていると捉えてよいでしょう。
むしろChristopher Amottのギターソロが映えて聴こえます。
#3はテンポを落とし、ストリングスなどもフィーチャされ、メロディとグルーヴ感がより強め。シングルカットもされておりポップス枠かな?
#2のイントロも印象的でしたが、このミドルテンポのナンバーでもいいリフを残してくれ、ここはさすがMichael Amott。
そして絶対外せないのが#4。
こちらもシングルカットで、イントロのリフで「カッコイイ~」と思ってたらChristopherが飛び込んでくるもんだから失神するかと思った。
後半に差し掛かるところで静を感じさせる、ストリングスとクリーントーンのパートもまたアツい。
メロディ、疾走感、攻撃性すべてを兼ね備えたこのバンドを象徴する一曲で、今年のDOWNLOAD FESTIVALでも披露していましたね。テンション爆上がりした覚えしかない。
全部に言及しているとキリがないというか、すべていい意味で同じようにいい。
シンプルながらも印象的で疾走感を持ったリフをベースに、デスメタル然とした高い攻撃性を持ちながら、一歩間違えたらポップスにでもなってしまいそうなメロディアスなギターフレーズをうまく乗せてくる。
そして時に静を感じさせる叙情的な美しさを織り交ぜる・・・
いやコレ、メロデスの音楽性の説明じゃん。
まあつまり、このバンドがいかにメロディックデスメタルを体現しているかという話なんですが。
この作品の特徴としてはなんといってもリフの印象強さ。
すべての曲でしっかりとその曲を印象付けるリフが登場するわけですが、コレはMichaelのクラシックハードロック志向の影響が強そう。
メロデス界のRichie Blackmoreと言っても過言ではないでしょう。
また、その印象的なリフにさらに味のあるフレーズをChristopherが乗っけてくるのだからお腹いっぱいです。
実弟である彼は兄と比較するとネオクラ然としたテクニカルでクサめのフレーズで、このバンドの叙情担当。出てくるたびになぜか頷いてしまう。
また、インストの#8では寂しげなクリーントーンを披露したり、#10と#11ではこのバンド初のクリーンヴォーカル(というかコーラス)を披露したりと多彩なアーティストでもあります。
もうひとつ、Angelaのイカツいヴォールも大きな聴きどころ。
前作「Wages Of Sin」はヴォーカルが女性であると公表せずに発表し、Angelaが出てきたときは業界に大きな衝撃を与えたそうですが、そりゃそうだ。
初代ヴォーカルのJohan Liivaと比較すると表現力が劣るとの評価も多いですが、少なくともこの作品では持前の安定感は見せつつも、いくつかの声色を使い分けている印象です。
ドラムスのDaniel Erlandssonは結成時からほとんどの期間在籍しており、疾走感を出す部分、後ろノリの部分をメリハリつけての演奏でこのバンドのグルーヴをまとめ上げており基盤として欠かせない存在。
ただ、時々彼だけの音になると絶対印象に残るんだけど、コレが彼の真の実力なのかもしれない。
ベースのSharlee D'Angeloは正直この作品では目立つところはないのですが、Mercyful Fate、King Diamond、Dismember、Sinergy、Witchery等々に在籍経験があり、なるほど、これらの上物がド派手なバンドで徹底的に基盤を支える役目をしていたのですね。
Angelaとほぼ同時期に加入し、現在もこのバンドで活躍中ということで、メンバーが存分に暴れられるのも彼のおかげでしょう。
いや~、期待通りよかった!
個人的に好きなのは#4、#6ですが、捨て曲ないと思ってヨシ。
とにかく聴きどころ満載、どこをとっても楽しめる素晴らしい作品でした。
これでMichael曰く「シンプル過ぎた」とのことなので、他の作品は満腹どころじゃないかもな…
メロデスのみならず、エクストリームメタルの入門としてもいいし、正統なメロデスを聴きたい人にもオススメです。
やはりいいバンドはいい作品を作りますね。いや逆か??
最近はなぜかメロデスのレビューが増えていますが、どのメタルも聴くと「このメタルいいな~」っつってハマる。
メタルはいいぞ。
おわり