Fishbone - Give A Monkey A Brain And He'll Swear He's The Center Of The Universe
さて、今回はアメリカのミクスチャーロックバンド、
Fishbone
です。
本国では「ミクスチャーロック」という言い方はしませんが、とにかくレゲエやらスカやらパンクやらいろいろな要素を取り込み、この手のジャンルでは大きな成功を収めているバンドのひとつですね。
聴くのは4作目のスタジオアルバム、「Give A Monkey A Brain And He'll Swear He's The Center Of The Universe」。
すごいタイトルですが、コレは「Principia Discordia」という本からの引用だそうで、日本語に訳すと「サルに脳を与えよ、さすれば彼は自分が世界の中心だと断言するだろう」かな?
なんだかよくわかりませんが、とりあえず聴いてみよー!
トラックリスト
#1 Swim
#2 Servitude
#3 Black Flowers
#4 Unyielding Conditioning
#5 Properties Of Propaganda (Fuk This Shit On Up)
#6 The Warmth Of Your Breath
#7 Lemon Meringue
#8 They All Have Abandaned Their Hopes
#9 End The Reign
#10 Drunk Skitzo
#11 No Fear
#12 Nutt Megalomaniac
ミクスチャーロックとひとくちに言っても色々なので、どんな感じなんだろう、と思っていたら、そこそこヘヴィでメタルチックなリフが出てきておお~!となったり。
ヴォーカルをほとんどメンバー全員でとっているらしく、#1はみんなで畳みかけるようにバンバン何かを言っていて、スピードこそ遅いもののマスコアを感じさせる狂気的なナンバー。むしろこの遅さが怖さを引き立ててる。
#2では後発のP.O.D.を思わせるニューメタル風のナンバー、#3では80年代を思わせる渋めのフレーズを奏でており、いろいろな角度からメタルへのアプローチが行われたりもしています。
と思ったら#4ではホーンが愉快なスカナンバーに#5は完全にファンク。
他にもレゲエもあるし、ハードロックもあるし、ハードコアもあるし…コレが世界トップレベルのミクスチャーロックか…
「色々なジャンルを取り込んだ」みたいな売り文句はよく見かけますが、曲ごとにジャンルが違うと言っても過言ではないくらい一枚のアルバムの中でここまで振り幅の激しい楽曲を並べてくるのは珍しのでは。
たくさんのジャンルを融合させているというよりは、たくさんのジャンルの曲を演奏している、と言った方が正しいな。
このバンドの中でもヘヴィさが強い作品のようで、ひとまず作品の系統としてはオルタナティヴメタル/ファンクメタルに分類されてますね。
ちょうどニューメタルとともにジャンルが確立され始めた頃で、時代に合わせて要素を取り込んだのかもしれませんね。
作風を変えながらもクオリティを維持できるのはこの手のバンドの強みです。
Allmusicの評価が☆2つなのは、あまりに統一性に欠けるからでしょうか。
慣れていないとちょっと疲れてしまうかもしれませんが、いろんなジャンルを幅広く聴く人なら「次は何が来るんだろうか」とワクワクできます。
ホントに器用というか、よくこんなに幅広い音楽性を持てるなあという意味で、パワーにみなぎるバンド、そして作品でした。
よく知らないバンドのアルバム聴いてみたら結構すごい作品だった、っていう出逢いがレビュー始めてから本当に多い。
時代錯誤と言われようと、この出逢いはたまらねえ~。
この気持ち、忘れねえようにしろよ…
いや、でもホントに音楽アルバムを作品として楽しむ、この文化廃れないでほしいし、みんなもっとやってほしい。
まあ、こんなことしてるから一生モテないんだけど。
おわり
Give A Monkey A Brain And He'll Swear He's The Center Of The Universe
- アーティスト: Fishbone
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 1993/05/25
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (5件) を見る