Queensrÿche - American Soldier
こんちには。
さて、今回はプログレ界隈の大御所、
Queensrÿche
です。
Dream Theaterと並んでプログレッシヴ・メタルを作り上げてきたバンドですね。
聴くのは10作目「American Soldier」。
紆余曲折を経て現在はひとまず落ち着いた同バンドですが、このアルバムの時は結構ゴタゴタしていた時期で、内容的にはその名の通りイラク戦争関連のコンセプトアルバムとしつつも、メンバー間には不満もあったよう。
ちょっと難しめですが、ひとまずいきましょー!
トラックリスト
#1 Silver
#2 Unafraid
#3 Hundred Mile Stare
#4 At 30,000 Ft
#5 A Dead Man's Words
#6 The Killer
#7 Middle Of Hell
#8 If I Were King
#9 Man Down!
#10 Remember Me
#11 Home Again
#12 The Voice
シリアスなコンセプトにプログレとなれば少し構えてしまいがちですが、意外にもとっつきやすいナンバーでスタートです。
曲調としては時代もあってか、プログレッシヴメタルというよりは、器用なアレンジが目立つオルタナティヴロックという感じ。
と思ったら#2はサイレンとヘリコプターの音がフィーチャーされ、ヘヴィなリフも飛び込んでくる、らしいナンバー。
世界観に入りやすくするための作戦だったとしたらなかなか策士だな。
らしいナンバー、といっても複雑さが目立つわけではなく、中音域に重きをおいた音作りとノリやすいミドルテンポで普通に聴きやすい。
なによりGeoff Tateのいくつにも重なったコーラスワークがよくできてる。プログレ・ハードといった方がしっくりくるかな。
コンセプトや楽曲の完成度としては唸るところですが、やはり問題なのは「2009年のQueenrÿcheの作品」である、という点でしょう。
制作の主導権はGeoffが握っていたようで、コンセプトについてもメンバーがそれぞれパーソナルな思いを持っているにも関わらず、Geoff以外のメンバーはほとんど演奏するだけにとどまっていたよう。
この作品は商業的成功には至らず(といってもUSビルボードでは25位)、この後もGeoffと他のメンバーの確執は長らく続きました。
ただ、前述のように完成度は非常に高い作品なので、このアルバムを主導して作り上げたGeoffには、簡単にバンドを追い出すことができないようなカリスマ性があったのかもしれません。
もちろん演奏した楽器隊のメンバーもこの作品を作り上げているわけで、リスナーを飽きさせないきめ細かいアレンジや、シリアスな世界観を聴きやすく表現している技術も大きく評価したいところです。
ちなみにGeoffはサックスも演奏するようで、#7で聴くことができたり、#11ではGeoffの娘であるEmily Tateの歌を聴くことができたりとGeoff節がちらほら。
確かな技術、キャリアを持つ彼らだからこそ抱えていた問題も考えつつ聴くと、色々と深みのある作品でした。
創作活動をして、それを世の中に出していくとなると、しかもロックバンドともなれば多くの人との関わりは避けられませんが、世の中にはたくさんの事情があるようで、できれば避けて通りたいですけどね。
そんなこと言ってないで作りやがれという話ですねすみません。
俺もはやく学年に3人くらいの人が知ってるアーティストになりてぇな~。
さっさと曲作れって話ですね。
おわり