Wintersun - Wintersun
こんばんは。
今回はフィニッシュ・メロデス、
Wintersun
です。
同国のヴァイキング・メタル・バンド、EnsiferumのオリジナルメンバーであるJari Mäenpääのソロプロジェクトとして始動。当初は彼のみでの活動だったものの、のちにJariはEnsiferumを脱退し、同郷のバンドから数名引き抜きながら本格的にバンドとしての活動に専念し、現在は5人体制で活動中。
聴くのはドラマーにKai Hahtoを迎えてレコーディングされた1stアルバム「Wintersun」。なんとドラム以外はすべてJariが担当するという本当のソロプロジェクトといえる作品。(よく見るとジャケの左下に彼の名前がある。)国といい雰囲気といい一週間前にレビューしたImmortal Soulsの「Wintereich」を彷彿とさせますが、期待してよさそうかな。
トラックリスト
#1 Beyond The Dark Sun
#2 Winter Madness
#3 Sleeping Stars
#4 Battle Against Time
#5 Death And The Healing
#6 Starchild
#7 Beautiful Death
#8 Sadness And Hate
#9 Winter Madness (Demo)
#10 Beyond The Dark Sun (Demo)
#11 Death And The Healing (Demo)
細かく刻まれたリフと連打されるバスドラム、キーボード速弾きが炸裂するド派手なイントロでスタート。このパワーメタル感のある雰囲気はChildren Of Bodomを彷彿とさせます。ヘヴィなサウンドは薄めですが、音ひとつひとつのアタックがとにかく強烈なのが印象的。非常に手数も多く、#2ではブラストビートも使われ手数がハンパじゃない。トレモロフレーズが乗ってくるとメロブラも感じさせます。
#3は打って変わって三拍子のスローナンバー。キーボードを幾重にも重ねた壮大なサウンドが印象的。スケールにEnsiferum的なヴァイキングを感じます。というかコレがまさに同じ北欧と言えど鋭さのあるスウェーデンとは決定的に異なるメロディ感、三拍子も多く、コレがフィンランド感か。ブラストも駆使したアグレッシヴなメロデスといえばMechanical God Creationも記憶に新しいですが、MGCはテクデス寄りなテクニカルさとスウェーデン感のあるメロディラインだったことを考えるとやはり一線を画すタイプのバンドと評価して問題ないでしょう。
ハンパないドラミングは前述のとおりKai Hahtoですが、当時Rotten Soundでもドラマーとして在籍していたよう(現在は脱退)。今作では姓と名の間になぜか"the Grinder"を挟んでいますが、なるほどこのド級にアグレッシヴなプレイも納得です。Jariよく引き抜いたな。ちなみにSwallow The Sunにも在籍経験アリ(現在は脱退)、現在はNightwishも兼任しているとのことで、かなり器用なプレイヤーであることが伺えます。
ドラムの迫力がものすごいですが、Jariがそれ以外のパートを担当しているのも忘れてはいけない。ドラムの手数に弦楽器のピッキングも対応するわけで、この作品にデスメタル/グラインドコアのあの"コワさ"がなく、ド派手でメロディアスに感じられるのはJariのアグレッシヴかつメロディアスなプレイのおかげでしょう。#5では2分ほどテクニカルなソロパートが炸裂、聴きどころです。ヴォーカルはクリーンとグロウルを使い分けており、激しさだけではないクリーンの重ね録りによる壮大さの演出も注目です。
そしてなによりキーボードの派手さが最大の特徴。ヴァイキングメタルもメタルサウンド以外の音色が曲を引っ張る形ですが、それ以上にソロ意外はギターが隠れてしまうくらいの煌びやかな演出がなされているのが印象的です。さすがフィンランド。
ギターリフが前に出ているナンバーもあり、#7は少々他と比較してヘヴィでテクニカルで展開もイカツい。その代わりなのか歪みが少しクランチっぽいのが面白い。スウェーデンはこういうところがっつり鋭くしてくるからやはり違う。個人的にはスウェーデン派ですが…。
歌詞はやはりというか冬の大地を旅しており、完全に「Wintereich」がデジャヴ。コレがデフォルトなのか。オリジナル盤ラストの#8は悲しい印象でクリーントーンがところどころで使われるナンバーですが、ジャケットで行き倒れている彼の最期をイメージした楽曲でしょう。ちなみにこれらの曲はJariが古くは1995年頃から書き溜めていたようで、Ensiferum時代から構想を練っていたよう。メンバーが集まっていないにも関わらず制作に取り掛かったのも納得です。もちろんプロデュースもJari。彼にしてみれば満を持してだったのですね。
少々ヘヴィさが薄いですが、テクニックは確かなモノなので、ヴァイキングのメロディ感やCOBを彷彿とさせるキーボードの派手さが好みの人はハマると思います。他のメンバーが加入した作品がどんなサウンドになっているかも気になりますね。
今日、人生で初めて染髪をしました。ブリーチで自分の髪の色素ががっつり抜けたとき恐くなっちゃったけどなんとか乗り切りました。えらい。
おわり