Pelican - Australasia
こんばんは。
今回はアメリカのポストメタル、
Pelican
です。
ポストメタルの代表バンドとして2001年から活動、一度ギタリストの交代はあったものの、安定したラインナップで20周年を目前にしている、ベテランバンドです。
聴くのはファーストアルバム「Australasia」。ポストロックは随分前にThe Album Leafを取り上げたことがありますが、ポストメタルを取り上げるのは初。ちょっと緊張です。
トラックリスト
#1 Nightendday
#2 Drought
#3 Angel Tears
#4 GW
#5 Untitled
#6 Australasia
低音を強調したクリーンギターが逆再生も交えながら奏でられるイントロが印象的な#1。1:30くらいでドーンと入ってくるメタルサウンドはそのダークでメロウな雰囲気を保ちつつ、丁寧なサウンドが特徴的なポストロックの要素を感じさせます。対して続く#2ではヘヴィさに重点が置かれた、少々粗目のスラッジ然としたサウンド。ザクザクと16分で刻まれるフレーズが多く、ベースが和音で演奏されている箇所もあり、ヘヴィさは#1と比べてぐっと増していますが、メロウな雰囲気は残し、コレがポストメタル。
ポストメタルというと、アンビエント系統のポストロックにメタルサウンドを取り込んだタイプと、スラッジメタルがエクスペリメンタルに傾倒したタイプとざっくり分けて二種類に分けられますが、どちらかというと前者の印象を受けつつ、後者のサウンドも駆使し使い分けていもいるようです。#1、#4、#5、#6が前者で#2、#3は後者のイメージ。ラストを飾るタイトル曲の#6では中盤、低音がすっと抜けたアンビエント然としたパートやメロディアスさを孕むフレーズもあり、美しささえ感じさせます。
アルバムタイトルはオーストラリア大陸と、その周りのニュージーランドやパプアニューギニアを含む島々を総称した名称。#2のタイトルは直訳で「干ばつ」ですが、地域周辺の情景をイメージした作品、という感じかな?ちなみに#2は「Messenger」という戦争映画で使用されています。ヘヴィな印象はぴったりかも。
プロデューサー/サウンドエンジニアはSanford Parkerという人物で、過去にMinskにベーシスト/ヴォーカリストとして在籍経験アリ、現在もスラッジ系統のバンドでプレイしつつ、その界隈を中心に手広く多くの作品の手掛けているようです。また、マスタリングはNick Zampielloという人物で、過去に取り上げたこともある作品ではAnimosityの「Animal」でマスタリングを担当しています。その他Isisの作品を手掛けるなどParker氏同様実績ある人物です。また、カヴァーアートには元Isisのギタリスト/ヴォーカリスト、現Old Man GloomのAaron Turner氏がクレジットされており、界隈のプロが勢ぞろい。ギタリストのTrevor de Brauw曰く「予算が限られていたし、レコーディングスタジオも建設途中で苦労が多かった」そうですが、堅固なバックアップもあり、作品自体は概ね高評価を得ています。
力強く、それでいて繊細さも感じられる歪んだメタルサウンドが終始全体を覆うように奏でられる中、時に荒波がふいに収まったような静けさが演出される場面もあり、心に落ち着きと小さな興奮を呼び起こすような不思議な作品。個人的にはヒーリングミュージックですが、感じ方は人それぞれ…ポストメタルに興味のある方はこの作品を入門とするのもいいかも。
最近の悩みは食生活がカス過ぎるのか、口内炎とクソデカニキビがなかなか治らないことです。いい方法があれば教えてください。
おわり