Helloween - High Live
こんばんは。
今回はジャーマンメタル代表、
です。
ドイツのメタルないしパワーメタルを世に知らしめた、HR/HM史における非常に重要なポジションを持ち、紆余曲折を経ながら現在までに15作のスタジオアルバムを発表、今なお前線で活躍中のバンドですね。これまで三人のヴォーカリストを迎え、その全員がそれぞれ時代を築いているのも特筆すべき点です。
聴くのは2枚目のライヴアルバム「High Live」。1996年の5~6月にイタリア、スペインで行われたライヴを収録したもので、VHS、DVDの形式でも発売されています。
いきましょー!
トラックリスト
[Disc 1]
#1 We Burn
#2 Wake Up The Mountain
#3 Sole Survivor
#4 The Chance
#5 Why?
#6 Eagle Fly Free
#7 The Time Of The Oath
#8 Future World
#9 Dr. Stein
[Disc 2]
#1 Before The War
#2 Mr. Ego (Take Me Down)
#3 Power
#4 Where The Rain Grows
#5 In The Midle Of Heartbeat
#6 Perfect Gentleman
#7 Steel Tormentor
冒頭の客の大合唱がさすがのバンドの人気を感じさせます。
ヴォーカルを取っているのは三代目のAndi Deris。元々はPink Cream 69のヴォーカルを務めており、1994年に当バンドへ加入、ソロ活動も行っており1stアルバムはこのブログでも取り上げました。
ソロ活動ではしっとりしたハードロックを聴かせてくれましたが、Helloweenではパワーメタルの代表としてのバッキングにも負けないパワーを見せつけてくれます。
このアルバムでは直近の2作(「Master Of The Rings」、「The Time Of The Oath」)からのナンバーが多く、Andi加入直後の作品ということもあり彼がライターとして関わったモノが約半分を占めています。ソロ作品でも垣間見られるポップセンスが特徴的でギターも派手め、加入直後でここまでのセンスをバンド内で発揮しているのは驚きです。
またこの2作からは、音楽性の相違から現在は脱退してしまっているRoland Grapowのナンバーが3曲(Disc 1からは#4と#7、Disc 2からは#2)あり、なんだかんだ名曲を残してくれたなあ。
もちろん代表曲はしっかりと押さえ、Disc 1の#6、#9、Disc 2の#3あたりはブチ上がる。#6の各パートのソロは聴き逃せない。特にMarkus Grosskopfのベースソロ、生で観てみたいものだ。#3では客の大合唱がありバッキングがMarkusとUli Kuschだけになるのだが、二人が地味に楽しそうなのも聴きどころ。この辺のクラシカルでスピード感MAXなナンバーのライターはリーダーのMichael Weikath。
逆にKai Hansenのナンバーが少なく(Disc 1の#8のみ)、I Want Outなんかライヴの定番なのに外れているのは非常に残念だ…
それに対する罪悪感というわけでもないだろうが、演奏前にはちょっとしたギターソロタイムがあり、煽りに煽って客も大合唱と作品中きっての大盛り上がりを見せています。
メンバー全員がそれぞれ作曲に多く関わりつつ、(多少の音楽性の揺らぎはあったものの)パワーメタルの祖としての役割を変えずに活動し続けているのがこのバンドのすごいところ。この作品でも上記の通り各メンバーのナンバーが万遍なく披露されています。
それにしてもソロではしっとりと歌っていたAndiが、過去のヴォーカリストに負けない力強さのあるナンバーまでがっつり歌いこなしているのには脱帽です。もちろん出来のいいモノを収録しているとはいえど、ライヴ録音なのだから実力がそのまま反映されているわけで、それでも遜色ない歌を聴かせてくれるのだから、さすが25年以上もHelloweenのフロントマンを務めているだけある。
その、Kai Hansenが持つワイルドさとMichael Kiskeの持つ美しさの両方の要素を歌いこなすことができると評されるその歌声が最もいかんなく発揮されているのは、声を張るナンバーが多い中、低音パートも多いためメリハリが強調されるDisc 2からの#2~#3であろう。(#2が始まる前の煽りの時点で一人で無双しているが。)
また、唯一のバラードであるDisc 2の#5は、バッキングは(おそらく)Weikath奏でるアルペジオのみで、そこにAndiのしっとりした歌声が載ってくる、所謂ライヴバージョン。聴きどころです。
最後までパワーが抜けることなく盛り上がることのできる作品。ライヴのクオリティもさることながら、選曲も間違いなく存分にHelloweenというバンドを楽しむことができました。(I Want Outは惜しいが。)
コロナウイルスの影響、どんどん拡がっていますが、9月のスラドミとかメタルウィークエンドに影響がでないといいんだが…行きたいのだ。
祈りましょう。
おわり