Terrorizer - Darker Days Ahead - ロックを集め過ぎた人

こんにちは。

です。

デスメタル／グラインドコア創成期から活動している、シーンにおける最重要バンドのひとつで、その暴虐的な音楽性はデスグラインドと呼ばれたりしていますね。過去にMorbid AngelやNapalm Deathのメンバーが在籍していたことも。メンバーの脱退や死など不遇なできごとの多いながらもそれを乗り越え、現在も活動中。LOUD PARK 16で来日した際は楽しませてもらいました。

聴くのは1度目の再結成の3年後に発表されたセカンドアルバム「Darker Days Ahead」。2006年発表にも関わらずCDとビニル盤での発売と、さすがオールドスクール・デスメタル。翌年には限定のピクチャーディスクも発売したらしい。欲しい。

トラックリスト

#1 Inevitable (Intro)

#2 Darker Days Ahead

#3 Crematorium

#4 Fallout

#5 Doomed Forever

#6 Mayhem

#7 Blind Army

#8 Nightmare

#9 Legacy of Brutality

#10 Dead Shall Rise V.06

#11 Victim of Greed

#12 Ghost Train (Outro)

#13 Doomed Forever (Demo)

火を焚く音を伴った、何か不穏な儀式をしているSEを終え、タイトル曲の#2。ドギツく歪んだサウンドとハイテンポのビート。コレがオールドスクールデスメタルだ。こんなにザクザクやられ、バスドラムを高速で連打されたら首が止まらん。ライヴでの音圧を思い出す。脳が揺れた。

オリジナルメンバーとしてこのバンドを支えた故Jesse Pintadoのギタープレイは、スウェーデン勢の時折見え隠れする美しさなどは完全に排除した、純粋で強烈で暴力的なサウンド。個人的にスウェディッシュ・メタル・サウンドはどタイプではありますが、こちらのデスメタル原産地のサウンドも非常に魅力的。何を隠そう彼こそが前述のNapalm Deathの中期を支えた偉大なプレイヤーなのだから当然か。出身はメキシコで故郷のグラインドコア代表Brujeriaでのプレイ経験も。この作品を発表した直後、亡くなってしまったのが非常に悔やまれます。R.I.P.

そしてやはりデスメタルの肝はやはりハンパじゃない手数のドラミングですが、そもそもおそらくそれをシーンに決定づけることになったのがこのバンド自身、そしてこのシーンを代表するドラマーPete Sandovalなわけで、音量が大きいわけではないにも関わらず、乾いたバチバチした太鼓ひとつひとつアタックが"クる"、この高速デスメタルビート&サウンド、たまらん。当時は彼のドラムの腕を磨くきっかけとなったMorbid Angelにも在籍中（2013年に脱退）。ちなみにオリジナル盤ラストのアウトロ（#12）で演奏される狂気的なピアノの彼によるもの。ピアノを使っているにも関わらず美しさがココでも皆無なのもさすがです。

歌詞はデスメタルの基礎となる「死」をテーマにしており、ここもしっかりオールドスクール。作詞はヴォーカルのAnthony Rezhawk（2013年脱退）。今作品からの参加ではありますが、Resistant Cultureというグラインドコア／デスメタルバンド（結成時～2003年まではResistant Militiaという名前で活動）でTerrorizerと同時期から活動しているベテラン。自身の歌詞に負けない凶悪なグロウルもこのバンドをオールドスクールデスメタルたらしめる要因のひとつです。

#10は前作からのセルフカヴァー。曲を通してブラストビートが炸裂する最もエクストリームなナンバーで、ベースでは和音が使用され強調される部分もあり、聴きどころ満載。LOUD PARK 16では#3とともにクライマックス手前で披露されたキメのナンバーのひとつです。

とにかく暴力的・残虐的な飾り気のないデスメタルを体現したような作品。2006年にはすでにニュースクールな音楽性が主流になっており、バンドの状況もしんどい中、ここまで純粋なデスメタル作品を発表したのはさすがといったところ。オールドスクール・デスメタル好きなら十分に満足できると思います。

自粛の影響で牛乳の消費が落ち込み、牧場の牛さんが大変とのことだったので、先日久しぶりに牛乳を購入して飲んだんですが、久しぶりに飲むと美味しいですね。みなさんもメタルを聴くお供に是非。

おわり