Anaal Nathrakh - Hell Is Empty, and All the Devils Are Here
こんにちは。
さて、今回は久しぶりにガチにエクストリームなバンドです、
Anaal Nathrakh
いや~来ましたね。
バンドロゴからして禍々しいこのバンドは、イングランド出身のブラックメタル/グラインドコアバンド。
インダストリアルやデスメタルの要素も多く取り入れられ、エクストリームメタル界隈で多大な人気を誇るバンドの一つです。
今回聴くのは4thアルバム「Hell Is Empty, and All the Devils Are Here」。
シェイクスピアのテンペストから引用されているアルバムタイトルです。
期待していきましょー!
トラックリスト
#1 Solifugae
#2 Der Hölle Rache Kocht In Meinem Herzen
#3 Screaming Of The Unborn
#4 Virus Bomb
#5 The Final Absolution
#6 Shatter The Empyrean
#7 Lama Sabachthani
#8 Until The World Stops Turning
#9 Genetic Noose
#10 Sanction Extremis (Kill Them All)
#11 Castigation And Betrayal
ブラックメタルをブラックメタル然とさせるトレモロフレーズで幕を開け、しょっぱなから禍々しさ全開。
そして#2に入った瞬間に勢いMAX。
メロディアスなリフでノせに来たと思えばツービートで爆走、そして悪魔を憑依させたかのようなシャウト。
サビは一応クリーンヴォーカルでメロディがあるものの、バッキングでブラストビートが炸裂するので聴きやすいなどとは到底言えるものではない。
なんとギターソロまで用意されており、全編トレモロでブラックメタル。
勢い、勢い、勢いで暴虐の限りを尽くすことだけを考えているのか。
とにかく全編金物とバスドラムがほぼ鳴っていないことがないほど密度の高い音の中で、残虐的なシャウトが飛び交いまくる。
クリーンヴォーカルやメロディアスなフレーズ、リフがあるにも関わらず、エクストリームさが強すぎて聴きよい瞬間が存在しない。
エクストリームメタルと評されていてもなんだかんだ聴き入ってしまう瞬間があるのが普通だが、コイツら次元が違うな。美しさとかノリやすさとかそういう要素をすべて暴虐性で覆いつくしてしまってる感じ。
前述のとおり、曲によっていろいろなアプローチがなされており、 #5では少々テンポを落としブレイクダウンが導入されていたり、#6、#8では(イントロだけは)普通にイケイケなリフだったりなど、突っ走るだけでないところも見せてくれるのが嬉しい。
もちろんブラックメタルが主体なので、#7ではタイトルからしても「まさに!」というのが聴けたり。
それでもそこらのバンドとは音の密度やらシャウト/グロウルの狂気が違うのはさすが。
バンド名は映画「エクスカリバー」の魔法使いの召喚の呪文で「蛇の吐息」という意味だそう。
また、Vo. V.I.T.R.I.O.Lは錬金術師の標語である「Visita Interiora Terrae Rectificando Invennies Occultum Lapidem」からとっており、前述のアルバムタイトルや#7のタイトルなど、世界観もかなり手が込んでいるな。
(V.I.T.R.I.O.Lは「大地の内を訪れよ、精留すれば隠された石が見つかるであろう」、アルバムタイトルは「地獄は空っぽだ、悪魔はみんなここにいる」、#7は「(主よ、主よ、)なぜ私を見捨てられたか」となります。)
この「聴きやすいはずなのに狂気的で暴虐的」というのがこのバンドの強みでしょう。
当ブログでもここまでのはかなりトップレベルだな。首を振ることさえ忘れる。
最初から最後まで(というかラストトラックが最も暴力的なナンバーだった…)レベルが段違いの、ある種感動的な「ホンモノのエクストリーム・メタル」を聴かせてくれました。来日の機会は逃せないな。
残虐性の高いアルバムを聴きたいという方は必聴です。人によっては首の補強が必要かもしれません。
評判がいいモノはやはり評判がいい理由があるのだな。
やはりメタルはいいぞ。
おわり