Angels & Airwaves - I-Empire
おはようございます。
今回は1か月ぶり2度目、
Angles & Airwaves
です。
Blink-182のフロントマンTom DeLongeを中心としたオルタナティヴロック/スペースロックバンドで、前回は浮遊感が強いながらもポップネスも十分に散りばめられていたデビューアルバムをレビューしました。
今回は翌年に発表されたセカンドアルバム「I-Empire」。前作に引き続き「スペース」を感じさせるジャケットですが、どのような楽曲を聴かせてくれるのでしょうか。
いきましょー!
トラックリスト
#1 Call To Arms
#2 Everything's Magic
#3 Breathe
#4 Love Like Rockets
#5 Sirens
#6 Secret Crowds
#7 Star Of Bethlehem
#8 True Love
#9 Lifeline
#10 Jumping Rooftops
#11 Rite Of Spring
#12 Heaven
#1は通信音のような音で幕を開け、リバーブの強めな感じや前回の浮遊感や宇宙的なイメージは引き続きで気持ちよく入り込めます。
そのままふわっと行くかと思いきや、#2は跳ねるリズムでBlink時代を思わせるポップでパンキッシュなナンバー。ただし、突き抜けるあの明るさとは違い、ギターには特徴的なディレイやシンセサイザーをふんだんに使用し、A&A特有の浮遊感のあるサウンドでの縦ノリビートで、過去をただ踏襲するだけにはならず、ハイブリッドな楽曲に仕上がっています。
やはりTomにこの手のナンバーを期待していたファンも多かったのか、ラジオでかなりリクエストを受けた楽曲となったらしく、シングルカットもされ、このアルバムのリードトラックとなっているよう。
前作では一体感のある浮遊感を演出していた印象でしたが、今作では比較的各パートの音がそれぞれハッキリしている楽曲も聴かれ、それぞれの音域が別々の層をなしているようなグルーヴ感が印象的。#1や#5なんかはそれを強く感じられます。#6ではそのグルーヴ感を以てギターがいつもより前面に出て、少々空間的なエフェクトは弱めでロック感が強めだったり、逆に#3は前作の一体感も強く残していたりと、サウンド面が前作と比較して洗練されたとみるのがよさそう。
今作からベーシストが元Thirty Seconds To MarsのMatt Wachterに交代。少々抜けが強めになっており、サウンド面の変化の一端を担っているのは彼の影響が強かったりするのかも。30STMではシンセも担当していたようですが、こちらでも担当。むしろAtom Willard以外の3人はシンセ・キーボードの演奏メンバーに名を連ねており、浮遊感のあるサウンドへのこだわりを強く感じます。
それでいて浮遊感のあるサウンドはそれらに頼っているわけではなく、シンセ・キーボードはあくまでイントロなどの部分的な演出や音の厚みを作るために使用され、ロックサウンドでの空間的演出を中心としているのが最大の特徴。前作に引き続きTomのプロデュースですが、あのBlink-182からはなかなか想像できないサウンドで、ここまでの完成度の作品を仕上げてくるとは思わなんだ。
#7は#10はインストで、前後の曲と繋がっており、この点も前作にはなかった試み。前作と比較して、ポップネスはそのままに、サウンド面を中心に進化したバンドを見せてくれ、前作と比較するとこちらのほうがより多彩なアプローチが見られ、飽きさせない作品に仕上がっています。前作も決して完成度の低い作品ではないですが、前作を念頭に置いて聴くとより楽しめるのではないかと思います。
4月ももう終わりか。一年は早いし、4月なのにまだ若干寒いし、コロナは終息しないし今年波乱の年になりそうだ。
おわり