Art Of Anarchy - Art Of Anarchy
こんばんは。
今回はアメリカのロックバンド、
Art Of Anarchy
です。
2011年に結成され、メンバーにはSTPやVelvet Revolverのヴォーカルで知られる故Scott Weiland、Sons of ApolloやGN'Rのギタリストで知られる Ron "Bumblefoot" Thal、Disturbedのベーシストで知られるJohn Moyerと、所謂スーパーグループです。(現在のヴォーカリストはCreedのScott Stapp。)
聴くのはバンド名を冠するファーストアルバム「Art Of Anarchy」。STPの「Tiny Music...」を過去に取り上げましたが、実に約7か月ぶりにScott登場です。
トラックリスト
#1 Black Rain
#2 Small Batch Whiskey
#3 Time Every Time
#4 Get On Down
#5 Grand Applause
#6 Til The Dust Is Gone
#7 Death Of It
#8 Superstar
#9 Aqualung
#10 Long Ago
#11 The Drift
#12 Til The Dust Is Gone (Acoustic)
#13 Long Ago (Acoustic)
#1は雷雨をバックにクリーンギターで演奏されるトライバリティックなSE。そのまま力強いハードロックリフが突入。モダンで骨太な雰囲気を持ちつつ明るすぎない少々影のある曲調で、ポストグランジというのが一番しっくりくるな。
ギターの低~中音域が強調された歪み、ゴリゴリした強力なベース、重く細かいフレーズもガツンと蹴ってくるバスドラムがこのほんのりダークで力強い印象を与える要因でしょう。ミドルテンポでがっしりしたナンバーが中心ではありますが、どれも同様な聴こえ方なわけではなく、重さにパラメータを振っている#8や#11は非常にメタリックなで作品中随一の印象的なヘヴィナンバー。特に#11の中盤でツーバスの連打とメタリックなギターソロが披露される場面は激アツ。この辺はポストグランジというよりオルタナティヴメタルか。
#5では間奏でメインリフのユニゾンやビートで緩急つけてきて特に印象的。この曲や#9ではベースが特にゴリゴリと力強く聴こえてくるのもあり個人的に好みです。また、シングルカットの#6ではストリングスをフィーチャしつつ#1の雰囲気を匂わせるキメのナンバー。Ronのギターソロはほぼすべての曲に用意されており、ブルージーでのびのびした旋律が魅力的ですが、この曲ではその哀愁漂うイメージが非常にマッチしています。
STPでは力の抜けた印象のあるScottの歌声でしたが、こちらではけだるそうな雰囲気はそのままに、芯のある力強さも感じさせるヴォーカルです。さすが多くのバンドでのキャリアをモノにした男、バンドによって印象が微妙に違って面白い。リズムギターのJonとベーシストのJohnによるコーラスワークも印象的で、全体を通して多くの部分で彼らによるハモリやダブリングが使用されています。シングルカットの#3や#7あたりはそのコーラスワークと彼ららしいほんのりダークな曲調が魅力的なナンバー。
プロデューサーは中心人物であるRon。色々なタイプのバンドから集まったメンバーで、時にダークに、時にメタリックに、時にクールに、各曲でそれぞれ微妙に異なるアプローチをとりながら、このバンドとしてのイメージをしっかりと作り上げる作品にまとめ上げられており、彼の手腕を物語る出来上がりと言えるでしょう。
そういえばJohn & Vince Votta兄弟は一体どこから来たのだろうか?このバンド以外のキャリアが不明なのだが、Ronが連れてきたのだろうし、何よりスーパーメンバーに囲まれながら完全にこの作品に馴染んでおりタダ者ではないことだけは伺えます。
メンバーがメンバーだけありますが、彼らが集まったことにより想像以上の化学反応を起こし、キャリアだけでは語れない完成度を実現した納得の作品。ハードロック系統の間違いない作品を聴きたい方なら満足できるはずです。是非。
最近は夜風が涼しいにもかかわらず、朝起きると寝汗でベトベトになっているんですが、なぜですか。コメントでもいいので教えてください。
おわり