ロックを集め過ぎた人

ロックを集め過ぎたのでCDレビュー始めました。メタルが多めだけど気にすんな。

非常階段 - 蔵六の奇病

こんにちは。

 

今回は………超大物バンド………

 

非常階段

 

です!!!

 

知らんがな!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、前衛音楽を語る上では決して欠かすことのできない、ジャパノイズとも呼ばれるノイズロックの元祖です。

 

「いや、ノイズロックってなんやねん!」

 

という感じですが、詳しくはYouTube検索して見てもらえれば、

 

「意味わからん…」

 

となると思うので見てみてください。

 

ステージパフォーマンスの過激さが売りのバンドですが、(近年はさすがにおしっこしたりはしないと思うけど…)今回聴くのはCD音源なので、音だけです。

 

コレを聴いたところですべてを感じ取ることはできないと思いますが、とりあえず聴いていきましょう!

 

 

トラックリスト

[Disc 1]

#1 マントヒヒ (大阪) April 26, 1981

#2 磔磔 (京都) April 19, 1981

#3 創造道場 (大阪) November 2, 1980

#4 新宿ロフト (東京) August 29, 1981

#5 慶応大学日吉315教室 (神奈川) June 27, 1981

#6 同志社大学至誠館24教室 (京都) November 27, 1981

#7 蛍ヶ池クルセード (大阪) June 1, 1980

 

[Disc2]

#1 新宿ロフト (東京) April 5, 1982

#2 桃山学院大学 (大阪) November 11, 1982

#3 新宿JAM (東京) November 24, 1982

 

 

 

トラックごとにノイズの感じが全然違うので、一つ一つレビューしていきます。

 

今回聴いているのは30周年記念盤ということで、ふたつのディスクに分かれています。

まずは1st アルバム「蔵六の奇病」のリマスター盤のDisc 1。

 

 

#1 マントヒヒ (大阪) April 26, 1981

ゲロでスタート!

そしてゲロを吐き終わったところでこのトラックは終了…

そして拍手…

レベル高すぎるだろ…

 

 

#2 磔磔 (京都) April 19, 1981

マイルドめでキレイな(?)ノイズ。

ガシャガシャした感じではなく、むしろ計算されたように高低を広範囲に網羅したように層をなした安定的(?)なノイズです。

 

 

#3 創造道場 (大阪) November 2, 1980

少し不気味さを感じさせるオルガンの音の繰り返しをベースにギターなどのノイズが乗ってきます。

不気味ではありますが、一定のリズムで進行するので、ある意味聴きやすい?

 

 

#4 新宿ロフト (東京) August 29, 1981

泣き叫ぶようなギターノイズの裏でベースが一定のフレーズを奏で続けていてこれまた不気味さ強め。

というかちゃんと人のシャウトもうっすら聴こえるな。

そしてどんどん濃く、狂気的なノイズになっていく展開がかなり好みです。

 

 

#5 慶応大学日吉315教室 (神奈川) June 27, 1981

しょっぱなからヘヴィなノイズと狂気的なシャウト。

ノイズの奏で方もここまでと違いかなりめちゃくちゃ。

コレを大学の教室でやってたの…?

どういうことなの…?

 

 

#6 同志社大学至誠館24教室 (京都) November 27, 1981

ギターのフィードバックから始まり、普通のロックンロールっぽいコードやエレクトロニック音や苦しむようなシャウトなどたくさんの音が登場するノイズ。

サックスも入ってるかな?こちらはヘヴィさが強めですね。

客の声とかも結構入ってて、それも含めての作品なのでしょう。

中盤のドラムとシャウトだけになるところとか、明らかにパーカッションじゃないバッタンバッタンする音とか、本当に狂気を感じる。

 

 

#7 蛍ヶ池クルセード (大阪) June 1, 1980

ドラムの一定のリズムの連打から始まり、聴くに耐えないキーキーするノイズと

クスリやってるのかと思わせる狂気的なヴォーカル(?)。

前トラックのヘヴィさ、分厚さはなく中~高音域のノイズ。

狂気さは薄く、実験的な雰囲気が強いです。Lightning Boltっぽいな。(逆だけど。)

 

 

ここからはDisc2。

極悪の経典」という現在ではオリジナル盤は入手困難という音源のうち、9と10のリマスターです。

 

#1 新宿ロフト (東京) April 5, 1982

Sunn O)))を思わせるヘヴィなノイズでスタート。

前半はゴリゴリした低音ノイズが支配しており、中盤は一定の感覚で中音ノイズが「ザー」となり続けるのが印象的。

後半はノイジーなギターソロ(?)のような音…(なんていえばいいのか…)全部ですが、特にこの録音はかなり前衛的な雰囲気です。

 

 

#2 桃山学院大学 (大阪) November 11, 1982

低音ノイズと高音ノイズ・シャウトとシンセドラムが鳴り続ける録音。

途中クリーントーンのギターが入ってきたり、ここまでにないアプローチで、ホント怖くて中毒性高い。

いつかライブラリをランダムで流してた時にきて、シンセドラムがすごい印象的だったのを覚えてる。

 

 

#3 新宿JAM (東京) November 24, 1982

多分一番いかついノイズでスタートします。このCDで一番長い録音で約27分間ノイズが流れ続けます。

でもこれまでになくメロディアスで、いつもの狂気のノイズの中に、ある程度ちゃんとメロディがあるギターが入っていたりします。

コレが一番聴きやすいな。

そして一番の聴きどころは煽りとか会話とか喧嘩とか聞こえてくるところ。

「ガタガタ言うんじゃねーよ!人は人だろ!」

一番ライヴ感とか人間味が感じられる録音です。

 

 

 

 

これがキング・オブ・ノイズ。

 

普通に意味不明で怖いんだけど、ただノイズってだけじゃなくて、ちゃんと「ノイズを作ってる」っていうような音の感じ。

(実際あんな分厚い音どうやって作るんだ?と思う。)

 

なぜか引き込まれるんだよな。

 

こう気持ちがよどんでざわざわして、トラックが終わった瞬間の静けさでハッと我に返る。

怖いんだけど、聴いてるとあらゆる雑念がいつの間にか消えてる。

音だけでこんだけパワーがあるんだから、当時のライヴは本当に凄かったんだろうな…

 

 

近年はいろいろなアーティストとコラボしていたようで、なんと初音ミクとのコラボ音源もあるらしい。

 

手にする機会があればぜひ聴いてみたいな。

 

いつの間にかこの他にも色々と前衛音楽にも手をだしてしまっていたんですが、こうしてちゃんと聞くのは初めてです。

 

この手の音楽はポップスを聴く感覚でいくと拒絶反応が出るんですが、「そういうものだ」と分かった上で、理解しようとするのではなく、ありのままに自分に取り込むと、すーっと入ってきて嬉しくなるんです。

 

…いや、理解しなくて大丈夫なんですが、興味ある人は参考にしてみてください!!!!

 

きっとこれまでの音楽の概念を覆すような出逢いがあると思います。(キリッ)

 

 

次からはまた普通に戻りますので…

 

 

おわり。

 

 

 

蔵六の奇病~30TH ANNIVERSARY EDITION~

蔵六の奇病~30TH ANNIVERSARY EDITION~