Jethro Tull - Aqualung
こんばんは。
です。
ロックというジャンルの創成期から活躍し、特にプログレッシヴ・ロックの畑で高く評価されるバンドで、フルートを持ち込んだことで有名ですね。
(リーダーのIan Andersonがギターに負けまいと楽器屋に足を運んだ際、ヴァイオリンとの二択で店員に簡単なほうを聞いたところ、フルートだったかららしい。)
聴くのはおそらく最も有名な作品、4作目の「Aqualung」。少々難しい作品のよう。
とりあえず聴きましょう!
トラックリスト
#1 Aqualng
#2 Cross-Eyed Mary
#3 Cheap Day Return
#4 Mother Goose
#5 Wond'ring Aloud
#6 Up To Me
#7 My God
#8 Hymn 43
#9 Slipstream
#10 Locomotive Breath
#11 Wind Up
#12 Lick Your Fingers Clean
#13 Wind Up (Quad Version)
#14 Excerpts From The Ian Anderson Interview
#15 Songs For Jeffrey
#16 Fat Man
#17 Bouree
この手のクラシックなハードロック、かなり久しぶりだなあ…
芯のあるギターと力強いヴォーカルが渋い・・・と思ったらピアノとクラシックギターでしとやかに・・・と今度は一気にテンポアップし縦ノリのロックにと、初っ端タイトルトラックがプログレ全開。
いきなり6分半超えとかなりレベル高い作品であることがココで分かる。
続く#2はこのバンドの最大の特徴であるフルートがイントロで鳴り響く。
しかも間奏ではフルートソロ⇒ギターソロの流れも聴くことができ、かなり力を入れていることが分かります。
この曲はなんとIron Maidenがカヴァーしているとのこと。The TrooperのB面で聴けるよう。
フルートに関して言えばもっとも気合が入っているのは#7でしょう。フルートソロがかなり長く、Ianのブレスまでがっつり入ってる。
曲長も7分超えと(インタビューを除けば)最も長く、ゴスペルのような雰囲気があったり、ハードロック調の部分が強く出てきたりと展開もプログレ要素が強い。
基本的にはクラシックなタイプのロック/フォークと、その上に時折芯のあるエレキギターと知的なアレンジやテーマが乗ってくる、プログレッシヴ・ロックのお手本のような音楽性。
時代もあるでしょうが、すべての音をまとめて音圧を大きくしているのではなく、すべての楽器がひとつひとつはっきり聴こえるようにすき間のあるのが特徴的。
その分色々な音が器用にあちらこちらでしっかりと聴こえてきて、かつ抑揚が豊かに表現されているのが印象的。
特に#6ではフルートはもちろんのこと、ピアノ、ギターとのユニゾンがあったり、エレキギターがところどころでぐっと前面に出てきたり、歌の裏でもガンガン器用に演奏されていて聴きどころ満載。
歌詞の内容は宗教的な傾向が強いようですが、あまりその辺は明るくないのでスルーしておこう…
前述の#8と#10もカヴァーされています。(このふたつはシングルカットもされている。)
#10はかなりイントロがジャジーな雰囲気でピアノがかなりおしゃれ。フルートソロも聴きどころです。
こちらはW.A.S.P.、Helloween、Styxと多くの大御所にカヴァーされています。
#8はなんとOverkillにカヴァーされており、もともとハードロック調とはいえかなり気になる。
この被カヴァー履歴を鑑みると、かなりメタル界隈からの支持が熱いらしい。
かなり剛柔のメリハリがハッキリしており、「剛」の部分がかなり骨太なので、それが所以でしょう。
全体的にクラシックでシリアスな雰囲気を持ちながらも、しっとりな部分、縦ノリな部分、ブルージーな部分など多彩な表情を感じさせる、「これぞプログレッシヴ」というような作品です。
#11までが1971年発表のオリジナル盤、今回聴いているのは1996年のリイシュー盤ということで、#12以降にボーナストラックが収録されています。
#13は#11の別バージョン。オリジナル版よりだいぶソフトでポップになりリバーブが強い印象。
ボーナスは比較的聴きやすいナンバーが多く、#16なんかクラシックな雰囲気でフルートがふんだんに使われておりこのバンドらしさがありつつ、四つ打ちでノリやすいこれまでにないナンバー。
#16、#17はセカンドアルバム「Stand Up」からのナンバーで、#17はバッハのジャズ/フュージョンカヴァー。
こちらはYngwie Malmsteenなんかもカヴァー(というかフレーズがよく拝借されて)いますね。
英語が分からないのでインタビューは全然わかりませんでした・・・。
なんとかPink FloydのThe Dark Side Of The Moonへの言及が一瞬あったのだけ聞こえました。
ボーナスはともかく、「知的な作品」と言われる少々小難しい作品でポップさもそう強くはないにも関わらず、各国でチャートインしている偉大な作品。
コレをレビューするにはちょっと早かったかな~。
ただ、プログレのエッセンスを感じることはできました。またのちのち聴き直したい。
2020年の3月ですもう。早いな~。
新型コロナウイルスでどうなることやらという感じではありますが、今年もしっかり生きましょう。
おわり