Pearl Jam - Yield
おはようございます。
今回は約10か月ぶり4回目のレビュー、
です。
DIR EN GREYに続いて何気に2番目に多くレビューされているこのバンド、めちゃめちゃ久しぶりですが、前回はサードアルバム「Vitalogy」でした。
今回は一個飛ばして五作目のスタジオアルバム「Yield」です。飛ばすなよ。
この作品もこのバンドらしく商業的に十分に成功している模様、期待です。
いきましょー!
トラックリスト
#1 Brain Of J.
#2 Faithful
#3 No Way
#4 Given To Fly
#5 Wishlist
#6 Pilate
#7 Do The Evolution
#8 ●
#9 MFC
#10 Low Light
#11 In Hiding
#12 Push Me, Pull Me
#13 All Those Yesterdays
#1はサードにも見られたようなノリよく粗削りでパンキッシュ、#2も音は粗削りながらも落ち着いたテンポの、彼らのアレンジ力が光るナンバー。
そうそう、コレだ、コレがPearl Jam。10か月ぶりだけどすぐに甦ってくる。
先行シングルで発表された#4はここまでの粗削りな歪みとは一転、空間的なギターのイントロが印象的で、1stの繊細さを思い起こします。
#1ではテンションに身を任せてノリノリだったEddieもここでは丁寧に力を抜いたヴォーカルです。
「Vitalogy」は繊細さと粗さが共存したオルタナ/グランジの完成形のような作品でしたが、この作品ではよりそれぞれが強調されている印象。
シングルカットもされている#5はかなり音の隙間が多く素朴なナンバーですが、#7はEddieのヴォーカルに繊細さはなく、シャウトともとれる荒々しさもあります。
また、不思議なタイトルの#8はエクスペリメンタルなナンバーで、今作品で唯一ドラムスのJack Ironsが詞曲を担当。
ただ「We're all crazy...」とつぶやくだけの1分ほどの曲で狂気さえ感じますが、その後のナンバーはかなり安定した「らしい」ナンバーが並びます。
アルバムタイトル「Yield」は直訳で「生み出す」という意味ですが、作品の制作というのはそもそも「生み出す」作業です。それをわざわざタイトルに持ってきたのは、その「生み出す」ことをこの作品のテーマにしてるから、かな。
売れっ子バンドのアルバムも5作目ともなれば、自分たちの進歩ややりたいこと、ファンからの期待であったり、レコード会社との絡みなどなど乗り越えなければならない「壁」が多く立ちはだかるもの。
そうやって制作は時に苦しみが伴うものですが、それを乗り越える場面が#8の前とその後で区切られている、と見ます。#1~#7でEddieが粗かったり落ち着いたり少々情緒不安定なのもそのためか?
逆に#9以降はかなりリラックスしたヴォーカルで、このバンドの良さの「それぞれのパートがバランスよく演奏され、気持ちのよい気の利いたアレンジ、かつ各々を邪魔することなくしっかりと聴こえてくる」ところが、過去の作品同様に聴かれます。
(ただ#12では少々実験的な要素もあり、落ち着くことへの反抗か?)
ジャケットはただ道があり、「生み出せ」と標識があるのみで、めくると道ではなくただ海が広がっている。コレも「何もないところから生み出す」ことを表現していると捉えるのがいいのかな。
このジャケ写にはベースのJeff Amentも関わっているようです。
フェードアウトで終わる曲が1/3以上を占めているのも印象的。
彼ららしさも感じさせつつ、彼らの悩みもなんとなく感じられる作品でした。
バンド自身がこの作品に対して、どれくらい納得したのか、というのも気になるところですね。
2020年も1/4が終わろうとしています。今年も100レビュー頑張るぞー。ちょっと危ういけど。
おわり