Pearl Jam - Vs.
こんにちは。
さて、今回は約3か月ぶりに登場、
です。
前回のデビューアルバムのレビューに続いて、今回はセカンドアルバム「Vs.」。
前作は発売当初はまずまずだったものの、最終的に高評価を得たアルバムでしたが、こちらは発売初週で100万枚近くを売り上げ、ビルボード誌の売上最速記録、ビルボード200で初登場1位、その後5週間に渡ってそれを保ち続けたという、歴史に残るロックアルバムの一枚になりました。
プロデューサーに、AC/DCの「Black Ice」やRHCPの「Blood Sugar, Sex Magik」を担当したBrendan O'Brienを迎えた点も大きいかもしれません。
聴く前から名盤と分かると緊張するな~。
とりあえずいきましょー!
トラックリスト
#1 Go
#2 Animal
#3 Daughter
#4 Glorified G
#5 Dissident
#6 W.M.A.
#7 Blood
#8 Rearviewmirror
#9 Rats
#10 Elderly Woman Behind The Counter In A Small Town
#11 Leash
#12 Indifference
前作でも見られた器用なアレンジやEddieのエモいヴォーカルはそのままに、少し落ち着きのあった前作と比較するとキャッチーさがより洗練されており、ハードロック寄りのノリのよさも追加されています。
器用なアレンジが気持ちいい#1、ハードロックのノリを感じる#2、#3はほどよくクランチの効いたリズムギターが印象的なミドルバラード、#4はイントロがイケイケの跳ねるリズムのナンバー、と最初の4曲が上記の感想を引き出してくれたわけですが、なんとすべてシングルカットされているようです。
その後も曲が進む度に「お、コレ良いな」「次はこう来たか!」と、毎回関心させられます。
#7なんかは前作にはなかった荒々しさがあり、Eddieがほぼシャウトとエモい。
そして前回も書きましたがやはりギターのアレンジが本当に天才的。
洗練された楽曲のキャッチーさを支えながらも器用でエモいアレンジはこの作品でより幅が広がっているように感じられます。
ベース、ドラムのリズム隊も前作よりも主張が強めで良い。ギターに負けない気持ちいいフレーズが随所に見られ、かつ音の厚みをしっかりと作っておりコレも聴きどころ。
全体的に楽曲の幅が広がっており、バンド自身の成長もさることながら、今回プロデュースを担当したBrendanの手腕が存分に発揮されているのでしょう。
今後もこのバンドに大きく関わっていっているようで、かなり相性もよかったのかもしれません。
楽しい作品だった…と思ったらラスト#12では、ぐっと落ち着いたしっとりとした、でも彼らのエモさを残したバラードを持ってきやがった。
完全にやられたなあ。
恐らく前作でじわじわと評価を上げ、次作への期待のプレッシャーも大きかったでしょうが、その期待に応えるどころか完全に超えた、完璧なセカンドアルバム。
そういえばバンドサウンド以外が使われておらず、かなり純度の高いロック作品だ。
1960年代の終わりから1970年代初頭にかけてプログレッシヴロックが確立され、複雑さやテクニカルさを求めたロック界でしたが、それに対して回答を突き付けたオルタナ/グランジというジャンルを十分に体現している作品でもありますね。
でもただ単にシンプルなのではなく、シンプルなサウンドの中に細かくて、器用で、気持ちいいアレンジを乗せて、しっかりと厚みを持たせた楽曲を作り上げていく。
コレがPearl Jamの強みであり、良さであり、その基礎を作ったのがこのセカンドでしょう。
バカ売れし、名盤と呼ばれる所以が分かったレビューになりました。
ところで、最近は週一くらいでフリートラックを投稿するようにしています。
是非歌ってくれ~~~~。
おわり